第17話 白陽の騎士と創造の神:前編
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大雑把なものであるのだった。
だが、作戦を立てるのと立てないのとでは動くには大きな違いというものが出るだろう。こうして『千影・泉美班』と、『姫子・士郎班』の二手に分かれて迎撃出来るのも泉美の頭の切れが故に他ならなかったのである。
そんな泉美に感謝と、向こうは上手くやっているかという姫子であった。この間にも千影と泉美が敵襲の前に如何わしい行為を行っているとも知らずに。
ともあれ、こちらはこちらで動くだけだろう。士郎が三神器の力を携えたばかりというのが不安要素であるが、彼はこの日の為に日々鍛錬を欠かす事はなかった訳だし、先の手合わせで彼の実力は重々証明されている事からも問題はないだろう。
そのように姫子が思っていると、すぐに事態は起こるのであった。
まず巻き起こった地響き。そして、それが起こった先を見れば巨大な人型の姿があるのであった。
それを見ながら士郎は言う。
「あれが……敵の神機楼という事だね?」
「そういう事。話が早くて助かるよ♪」
事態を飲み込む適応力の優れた士郎に感心しながら、姫子も出撃の準備をするのであった。
しかし、彼女は既に大神家に来てからずっと巫女装束に身を包んでいたので、ほとんど準備万端な状態であるのだった。そして、姫子が終始その姿だったのも、純情無垢な一人の少年の恋心を加速させていた事に姫子は余り意識していなかったのだ。罪な女である。
「先に行ってるよ、士郎君! 頼むよ、ヤサカニノマガタマ!」
言うと姫子は自身の神機楼の召喚から搭乗までの一連の流れを実に滞りなくこなしていったのであった。さすがは大邪との戦いを数回こなした者の手際という奴だろう。
それに負けてはいられないと、士郎も後に続くべく手順を踏んでいく。
まずは、神機楼を扱う為に相応しい『戦闘服』に身を包まねばならないだろう。その為に士郎は懐に差した刀を抜き、それを天に掲げるのであった。
すると、士郎は目映い光に包まれ、気付けば例の如くコスチュームチェンジしているという状態なのだった。
しかし、それは二人の月の巫女とは少々様相が違うのであった。
見ると、彼が纏っていたのは、真っ白な外套であるのであった。そして、その下に着たスーツもまた白一色であったのだ。
そう、これこそが……。
「これが……俺?」
「そうです士郎。それがあなたの力である『白陽の騎士』としての姿ですよ」
驚く士郎に対して、そう和希は説明したのであった。
そして、士郎の気持ちはまだ驚きは引かないものの、自身に備わった力は沸々と感じる所であるのだった。
何故だか、彼には分かるのであった。この姿でいると、自身に力が溶け込むように入ってくるという事が。
故に、彼には迷いは無かったのであった。そして、それは次にすべき行動が何であるかも自然と体が
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