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神機楼戦記オクトメディウム
第16話 新たなる戦士の息吹
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 こうして八雲泉美の初陣は、見事に彼女の勝利という形で幕を下ろしたのであった。そして、無事に大邪衆の一人であったギロチン高嶺も邪神の力から解放される事となったのである。
 その高嶺がおもむろに口を開き、泉美達に言ってくるのであった。
「こうして私は大邪の力から解放されました。そして八雲さん達は信頼出来る人達でしょうから、この事はあなた方に話てもいいでしょう」
 そう言うと高嶺は一呼吸置き、そのまま続けていったのだ。
「我等の大邪の今回の作戦は『同時遂行だった』のです。つまり、別の場所を襲撃する事で、あなた達が対処しづらくするというのがシスター・ミヤコが考えた案だったのです」
 それは正に、泉美が想定した通りの展開であったという訳だ。故に泉美は内心で『計画通り』と言わんばかりにほくそ笑みながら、こう高嶺に返すのであった。
「ええ、その事は推測していました。だから、この場には私と千影さんしかいなかった……そういう事ですよ?」
「成る程……あなたに一本取られたという事ですね」
 その事に今大邪の力から解放された高嶺は安堵する所であった。こうして邪な作戦は敵に看破されていた事により、事なきを得たのであるから。
 そう高嶺が思っていると、泉美のガラホが着信音を鳴らすのであった。
 それを見ながら、千影は思わずツッコんでしまう。
「何? またカルラノカブトから?」
 神機楼と友達のように話す泉美には、千影はどことなくシュールなものを感じていたのである。だから、またそのやるせない光景を見なければならないのかと頭を抱える所であるのだった。
 だが、幸い(?)にも彼女のその予想は裏切られる事となったようだ。
「あ、姫子さん。丁度良かったわ」
『こっちは無事に終わったよ泉美ちゃん♪ そっちはどう?』
 その姫子の弁から察するに、『どうやら向こうもカタが付いた』ようである。この幸先の良さに泉美は気を良くしながら泉美は姫子に言葉を返すのであった。
「ええ、こっちも今しがた終わった所よ。その言い方だと、そちらも大丈夫なようね♪」
 そして、ここからは時を今日泉美達と姫子が別れた所まで遡る必要があるだろう。

◇ ◇ ◇

 あの後、泉美と千影の二人と別れた姫子は自宅……ではなく、とある場所へと向かったのであった。
 彼女達が今のこの状態で自宅以外に向かう場所は限られているだろう。そう、彼女達の拠点とも言え、彼女達を纏め上げてくれる大神和希のいる『大神家』であるのだった。
 姫子がそうしたのには理由があるのであった。前々から話にあった事が、遂に実を結んだ事にあるのであった。
 そして、和希と会合していた姫子は、早速その本題へと入るのだった。
「それで、和希さん。『あれ』は完成したのですよね?」
 思わせぶりな物言いの下、姫子はその本
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