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神機楼戦記オクトメディウム
第16話 新たなる戦士の息吹
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たのである。
「早速行くよ!」
 そう言って姫子は懐から弾神ヤサカニノマガタマの力により生み出された銃を取り出すと、その引き金を迷う事なく士郎目掛けて引いたのであった。
 すると、銃口から光のエネルギーの弾丸が発射され、寸分違わぬ狙いで士郎へと肉薄していったのである。
 このまま行けば士郎はその弾丸の直撃を受けてしまうだろう。だが、彼は一切動揺してなどはいなかったのであった。
「甘い!」
 そう単語で切り捨てると、彼は懐にさしてあった鞘から刀を振り抜くと、それを迫り来る弾丸へと合わせたのである。
 刹那、光の弾丸は刀に切り裂かれ、無数の光の粒へと変換されて散っていったのであった。
 その光景は、どこか幻想的であるのだったが、そんな芸当をされた姫子としては堪ったものではなかったのである。
「こうも私の弾丸があっさりと!?」
 どこか二流の悪役めいた驚きの言葉で以て、姫子は驚きを隠せないで言うのであった。
「剣神の力を備えたこの刀のキレは上々のようだね。それにしても……」
 そう言うと士郎は突如としてその顔を破顔させるのであった。女の子と間違われるような童顔である事も相まって、それは無邪気で愛らしいものなのだった。
「姫子さんが……俺の刀捌きに驚いてくれたぁ〜♪」
 それは、士郎の心の叫びであるのだった。そして、そんな二人を見ながら思わず幸人は和希に呟く。
「こんな二人で大丈夫ですか?」
「大丈夫です、問題ありません」
 だが、和希はしれっとそう返すのであった。彼は二人ともその鍛錬により洗練された実力を持つ事は良く知っていたからである。故に、これ位どこか抜けていた方がここぞという時に実力を発揮出来るものだろうと彼は踏んでいるのであった。
 その和希の読み通りに、姫子と士郎の戦いから放たれる雰囲気は実に鋭利なものとなっていたのだから。
 そして、今しがた弾丸の一撃を防がれてしまった姫子は、それにめげる事なく次なる手を打つのであった。
 彼女は、手に持った銃に自身の生命エネルギーを注ぎ込むと、再び士郎目掛けて引き金を引いたのだ。
「さっきと同じでは──っ!」
 先程の焼き直しとなるかと思ったその展開を、瞬時に士郎はそれは違う事を見抜いて回避行動に出たのであった。
 それは、姫子が今仕掛けてきた銃撃は先程のような単発ではなく、機関銃のように一度に連続して大量の弾丸をばら撒くというものだったからだ。
 そして、それを刀で切り落とすという事はせずにその足でかわした彼の咄嗟の判断は、賢明の一言だったと言えるだろう。一発ならまだしも、このような連続した弾などは刀の一振りでは到底対処出来ないからだ。
 加えて、回避運動をしながら彼は今の展開を好機と捉えるのであった。何故なら、こうして回避しつつ動きながら、一気に敵の懐まで攻め入っ
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