第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第36話 外界っ子バトル:前編
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ちゃ駄目だよ。私達は勇美ちゃんの弾幕ごっこを見に来た訳でもあるんだし♪」
「はい、ありがとう……ございますぅ……」
勇美は複雑な心境であった。神直々に自分の弾幕ごっこを見に来て貰えたという光栄さと、結局は可愛い幼女然とした諏訪子を抱きしめるという野望が成熟しなかった無念とが頭の中を駆け巡っていたのだ。
「そういう事だ。そうややこしい心持ちとなるな」
そして、神奈子も勇美を労う姿勢を見せた。
「そうですよ、勇美さんはこれから私と勝負をするのですから。言っておきますけど、私は強いですからね」
早苗は強気な発言をした、いつもの妖怪退治人としての血が騒ぐようであった。
それを聞いて勇美は心機一転、早苗と対峙する意欲を強く沸きたて始めた。
「はい、足元掬われないで下さいね、先輩♪」
対する勇美も意気揚々とするのだった。
◇ ◇ ◇
そして、勇美と早苗の勝負はここに始まった。
どちらから先に動くのだろうか? そう思われた矢先。
「早苗さん、私から行かせてもらいますね」
勇美のようであった。意気込みの良い後輩に対して早苗は気を良くする。
「どうぞご自由に。ここは先輩として後輩に華を持たせますよ」
「そう言ってもらえると助かります。それでは、最近編み出した『とっておき』をお見せしますね」
「とっておき……ですか?」
早苗はその言葉に首を傾げつつも期待した。一体この後輩は何を見せてくれるというのだろうか?
「では行きますよ。早苗さん、あなたに相応しい神様は決まりましたよ!」
「その台詞ダメです! どっかで聞いたような気がしますから!」
早苗は慌てて手を振って抗議し、依姫もまたこいつやりやがったと頭を抱えていた。
──神をそんな得体の知れない弾薬感覚で行使するなと。
ちなみに、風の象徴の人が使うのに『土』って意味だったのはどういう事だったのかと。そして大人の事情で打ち切るには惜しすぎたアニメだったとも。
閑話休題。勇美が神の力を借り続ける修練の内に気付いた事。
それは彼女が同時に神の力を借りられるのは三柱までが限界という事であった。──それ以上は肉体と精神に負担を掛けすぎてしまうのだった。
なので、勇美はその制約の三柱の神を選ぶのだ。
「……魔銃っぽく宣言していいですか?」
「ダメです。普通にやって下さい」
「ぇ〜」
早苗にキッパリ言われて勇美は項垂れた。そして傍らで聞いていた依姫も呻く。まだそのネタ引っ張るつもりだったのかと。
だが、いつまでもネタに走ってもいられないだろう。勇美は意を決して力を借りる神の宣言をする。
「まず石凝姥命、そして天照大神よ、そして……」
(……)
それを聞き、依姫は首を傾げた。
その組み合わせは先程も勇美が見せた、彼女が誇る奥の手『ラ
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