第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第36話 外界っ子バトル:前編
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由は『半分』の正解であった。もう半分を依姫が説明していく。
「それと勇美、妖怪の山に住む天狗を中心とした妖怪は排他的なのも理由なのよ」
「その通りですよ、依姫さん」
早苗は自分が付け加えようとしたもう一つの理由を、見事に依姫に代弁してもらう形になって感心するのであった。
排他的……。その歪んだ思想は依姫が自分達月人を見ている事で嫌という程知っているのだった。
その思想は他を見下し、時に自分達の正義に反するのであれば危害を加える事も辞さない考えを生み出すものであるのだ。
その事を依姫はよく知っているからこそ、勇美を妖怪の山へは連れて行きたくないのであった。月の思想は反面教師として抜かりなく依姫の役に立っているのだった。
だが、そこで困ったのが勇美であった。それならばどこで早苗との弾幕ごっこを繰り広げるべきなのかと。
「それじゃあ、どうしますか……?」
(あ、何かこの子可愛いですね……♪)
う〜んと勇美が頭を捻り考えるのを見て、早苗はほのぼのとした気持ちとなってしまった。彼女もまた勇美の小動物性に惹かれたのだった。
ずっとこのままの勇美を見ていたい衝動に襲われる早苗だったが、さすがにこのままではいけないので、隣にいた依姫に案を聞く事にした。
「どうしますか、依姫さん?」
それに対して、依姫は何も迷う事はなかったのだった。
「早苗、安心しなさい。勇美、あの時の事を忘れたのですか?」
「あの時……?」
勇美は依姫に言われても、彼女の言わんとしている事が理解出来なかった。あの時とは何時の事だろうかと。
(やっぱり可愛い)
そして再び悩む勇美を見ながら早苗は癒されるのだった。この子、お持ち帰りしたいと。
ちなみに早苗は外界では高校生だったのだ。だから二つ三つ歳の低い勇美が愛おしいと感じてしまう一因となっていたのだった。
だが、現実とは無情なものである。そんな勇美に対して依姫は助け舟を出してしまうのだから。
「ほら、あの時。慧音さんの申し出で特別授業をした時の事よ」
「あ、あそこですね♪」
依姫に言われて頭に閃きが走った勇美は、合点がいき、にぱっと笑顔を見せた。それを見て早苗はこの子はころころ表情が変わって、やっぱり可愛いと確信するのであった。
そんな事ばかりを思っていられないので、早苗や依姫に聞く。
「依姫さん、あそこってどこなんですか?」
「そう言えば貴方は知らないよね。いいわ、案内するわ」
◇ ◇ ◇
そして依姫に案内されたのは、人里の近くにある開けた空間であった。
そう、勇美が寺子屋の為に特別授業をした際、自分の分身を恐竜型に変形させながら依姫と戦った場所である。
「こんな所があったんですね〜」
早苗は素直に感心した。
「貴方は幻想郷での経験が浅いですからね、
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