第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第35話 冥界組との後夜祭
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の負けでいいですから」
「うん私こそごめん。早く行っておいで」
この苦悩は輝夜も同じ女性だからよく解るというものだ。これ以上呼び止めるのも無粋である為、素直に勇美をトイレに行かせるのだった。
「ふー、間に合ったぁ〜♪」
結論から言うと、勇美は無事に用を足すのに間に合ったようだ。
今この瞬間、勇美はこの世の極楽浄土を一身に受け止めるかのような解放感を噛み締めるのだった。
そして、大事な箇所のケアーをすると、ショーツを元あるべき所に引き戻す。この際、勇美の今着ている和服はミニスカスタイルの為、とてもやりやすかったのだった。
成し遂げるべき事は抜かりなく成し遂げた。勇美は菩薩の如き澄み渡った表情で永遠亭のトイレから出て来るのであった。
後は宴会の席に戻って、後夜祭の残りを満喫するだけ。そう勇美はうきうきしながら帰路に着こうとしていた。
「勇美ちゃん、ちょっといいかしら?」
そんな中、勇美はある声に呼び止められる事となる。
誰だろう? 勇美は思いながら一瞬考える。
勇美の事を『ちゃん』付けで呼ぶのは、永琳と、他には……。
「幽々子さん?」
それしか選択肢はなかったのだ。見れば桃色の髪に水色の和服、正解のようであった。
「ピンポーン、ご名答♪」
「私の事をちゃん付けするのはこの場に二人しかいませんからね、すぐに分かりましたよ」
そう言って勇美は笑顔を幽々子に見せた。
「ああ、幽々子さんって亡霊さんですから、トイレで出現してたら今頃大変な事になっていましたよ」
「私はどこぞの、嘆きの何たらかい!?」
勇美に突っ込みを入れながら、幽々子はハッとなってしまった。普段徹底的なボケ役の私に突っ込みをやらせるとは、この子、只者じゃないと。
「ま、まあ何……」
幽々子は生物であったら冷や汗を掻くような心境を何とか悟られないように取り繕いながら本題に入る。
「後夜祭に戻るまで、ちょっとそこの休憩室で私と話をしていかない?」
「幽々子さんとですか?」
勇美は何が狙いだろうとは思いながらも、特に嫌な気はしなかったのだ。
寧ろ、幽々子のようなほんわかした者と一緒に話が出来る事は光栄なのである。
「もちろん、喜んで♪」
「そう言ってもらえると嬉しいわ〜」
こうして意見の一致した二人は休憩室へと赴くのだった。
◇ ◇ ◇
そして、二人は休憩室で話に華を咲かせていた。
内容はお互いに冥界、永遠亭での生活はどうだとか、たわいもない事であったが、二人は実に充実した時を過ごしていたのだった。
そこで、幽々子がふいに勇美に呼び掛ける。
「ところで勇美ちゃん、突然こんな事言ってあなたを驚かせてしまうかも知れないけど……」
「どうしたんですか、幽々子さん?」
勇美は幽々子が先程までとは違い
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