TURN43 インドカレーへその四
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「ならいいな」
「はい、それでは」
「全軍インドカレーに進撃する」
東郷は全軍に告げた。
「勝つ。いいな」
「わかりました」
日本は東郷の言葉に頷いた。太平洋軍は修理中の艦隊を緊急修理してまで戦闘可能にしそのうえでインドカレーに進撃した。そのインドカレーでは。
布陣するエイリス軍の大艦隊の中でだ。イギリスがネルソンと向かい合って話をしていた。既に戦闘態勢は整っている。
その中でだ。イギリスはこうネルソンに言った。
「インドはな」
「様子見ですか」
「ああ、自分は動かない」
「ですがそれでもですね」
「インド人の艦隊は実質的に向こうについたからな」
太平洋側に加わったというのだ。
「俺達だけで戦うしかない」
「予想はしていましたが」
それでもだとだ。ネルソンは紅茶を飲みながら言う。
「残念ですね」
「インドは絶対に独立を考えてるな」
「はい、それは確実ですね」
「実質的に日本についているだけじゃなくてな」
「まさかと思いますが」
「ガメリカや中帝国とも接触してるみたいだな」
連合同士でありながら太平洋からエイリスの勢力を追放して太平洋経済圏を築こうとしている彼等ともだというのだ。
「この戦いで俺達が勝ってもな」
「独立を宣言して」
「ああ、連中に承認してもらうつもりらしい」
「インドも強かですね」
「あいつの考えは日本以上にわからねえところがある」
植民地として付き合いがあってもそれでもだというのだ。
「俺もな」
「止められませんか」
「ガメリカや中帝国と接触するとは思わなかった」
これはイギリスの失態だった。彼は自分でそのことを認める。
「やられたよ」
「そうですね。若し我々が勝ってもインドさんが独立を宣言されれば」
「ガメリカと中帝国がすぐに承認するからな」
それこそ宣言してすぐにだというのだ。
「あとソビエトもな」
「同盟相手の承認は認めるしかありません」
「俺達はどっちにしてもインドを失うことになる」
「そしてインドを失えば」
どうなるのか。それは彼等こそが最もわかっていることだった。
「エイリスは最大の植民地を失います」
「それでだ」
「エイリスはその勢力を大きく衰えさせ」
「世界帝国の座から降りることになっちまう」
「太平洋はガメリカや中帝国のものになり」
それはもう決まっていた。今は彼等と日本の盟主争いになっていると言っていい戦況だ。
「欧州においても」
「まだ。植民地の力があるから戦えてるんだ」
「ドクツとの戦いで消耗し」
「欧州の一国にまで落ちちまうな」
「インドは絶対に守らなければなりません」
確かな声でだ。ネルソンは言った。
「何があろうとも」
「そうだな。けれどな」
「祖国殿、ここはです」
ど
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