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曇天に哭く修羅
第三部
はいちょっとごめんよ
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「レイア……さん?」

「休んで見てて」


白い少女は口をぱくぱくさせている。


「ま、まさかこの魔晄と気配……。大分弱いけど、本当に《永遠(とわ)レイア》なのか!?」

「ああ、久し振りだね《白鋼水明/しろがねすいめい》。自分の体じゃないし僕本来の強さは出せないけど今の紫闇が出せる限界を超えて力を引き出せる。当然ながら僕の技術も使えるよ?」


水明は逃げようかと思っていた。

焔の両親を殺そうとした時に彼と《エンド・プロヴィデンス》の二人に邪魔をされ、徹底的に叩き潰されたことを覚えているから。


(レイアとは言え使うのは立華紫闇の体。なら勝てるかもしれない)


水明が考え事をしている間、レイアは紫闇に状況を説明していた。

レイアが紫闇に対して行った【魔晄改造/カスタムブレイク】は魔晄外装を強化する為のものだが普通なら改造は一度で済む。

改造の技術が無くとも精神の在り方で外装の形状を変えられるので強く念じ、心から願えば自分の理想とする武器の形に近づく。

だが目覚めた【異能】や外装が持つ特性までは変えられないもの。

そういう意味では紫闇の外装は稀少ながら特に何の変哲もない上に異能も覚えられない『規格外』と言われるゴミタイプ。

しかし紫闇は【神が参る者(イレギュラーワン)】なのでレイアは紫闇と融合した内なる上位存在の魂にも干渉して手を加えたのだ。

そして神が参る者として備えていた7つ有る能力枠の内、5つを奪う。

5つの内の1つは魔晄を使う能力にして、4つは超能力の枠とした。

これで上位存在の影響を少なくする。

更に黒い魔晄を使うもう1人の紫闇と戦って叩きのめしこれを掌握すると紫闇の主導権をかなり多くして暴走の危険性を減らす。

力が解放される仕組みを改造し、紫闇の成長に応じて力を解放できるようになった。


「で、成長が敵に追い付いてない時にピンチに陥ったら疑似人格の僕が紫闇の体で戦えるようにしておいたわけ。今の紫闇の体でも水明と戦えるから大丈夫だよ」


無茶苦茶な技術だが信じるしかないので納得した紫闇はレイアに体を預けて自分の中から成り行きを見守ることにした。


「さーて行くぞ水明。あれからどれだけ強くなったのか見せてもらおうか」

「はン。レイアの本体じゃないなら別段アタシに恐いことは無いネ。長年果たせなかったリベンジといかせてもらウ」

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