最悪の事態
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矢!!」
「天空乙矢!!」
ウェンディとシェリアの連携攻撃。ティオスはそれに気付いていたにも関わらず、なにも対処をすることができなかった。彼は2人の蹴りを受けると、なす統べなく地面に倒れる。
「レオン・・・まだ良心が残ってるよね?」
「だから私たちに攻撃できなかったんだよね」
「っ・・・」
シェリアとウェンディが前に出てこれたのにはある確信があったから。それは、ティオスの中にまだレオンとしての良心があると判断したから。
「あたしはレオンが生き返るのに重要じゃないはずなのに、殺さなかった。それはあなたがレオンだからだよね」
今のレオンを取り込もうとした時、目の前にいたシェリアを殺すことなど彼には容易いはずだった。しかし、あえてやらなかったのだ。ここまで多くの人間を葬り去ってきた彼が見せた甘さ。それに気付いたから、2人は前に出てこれた。
「ラウもサクラも死ななかったよ!!」
「そういえば、ラウルには魔法もぶつけられてなかったのぅ」
ラウルとミネルバにも、2人の意見には心当たりがあった。シリルやローグのように、後々の自身のために残しているのではない。そこから逸れている人物たちも、仕留めきれていないケースが見受けられるのだ。
「やれやれ・・・勘違いも甚だしいな」
ついに敵の弱点を見つけたかに思えたフィオーレ軍だったが、ティオスはタメ息をつきながら立ち上がる。
「勘違い?」
「どういうこと?」
「言葉どおりの意味だ。俺がお前たちを殺さなかったのには、理由がある」
ニヤリと笑みを浮かべながら立ち上がるティオス。彼はシェリアたちを見据えながら、言葉を紡ぐ。
「お前たちは俺が神になる上でお前たちは決して邪魔になるような存在ではない。そう・・・」
ティオスはそう言うと、手をある人物へと向け魔法を放つ。
「あいつらみたいにな!!」
ティオスはそう言って三種の属性の魔法をシリルとナツ、2人のドラゴン目掛けて放つ。しかし、それはあっさりと2人にも・・・周辺にいた魔導士たちにも回避されてしまった。
「動揺が透けて見えるぞ!!レオン!!」
交わしたシリルは速度を上げてティオスへと接近する。彼は水と風を足に纏わせると、勢いそのままに彼の腹部へ飛び蹴りを放つ。
「くっ!!」
それを回避することはできなかったティオスは後方へ体が流れる。しかし、シリルはそのチャンスをみすみす逃すようなことはしない。
「お前は悪魔になんかなりきることはできない!!帰ってこい!!レオン!!」
両手を合わせてそこに魔力を集中させる。それは彼が持つ魔法の中でも、最大の威力を持つ魔法。
「天竜水!!」
目と鼻の先にいたティオスに彼のそれを回避する術などない。あっという間に
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