最悪の事態
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「全員を探す手間が省けたぜ」
そう言ったティオスの目を見て、この場に集まった全員が鳥肌が立ったのを感じた。この状況でも自らの勝利を信じて疑わない最強の敵に、飲まれそうになった。
「皆さん!!援護してください!!俺がメインで戦います!!」
そんな中、真っ先に手を挙げたのは水色の髪をした少年だった。彼は大切な人を立たせると、ティオスの前へと歩いていく。
「ふざけんなシリル!!俺もやる!!てか俺がやる!!」
しかし、それを聞いて黙っていられないのがこの男。ナツは炎を上げながら前にいる全員を押し退けていく。
「落ち着け、ナツ、シリル」
そんな中、冷静な物怖じで前衛へやって来る男。その魔力に2人の足が止まった。
「こいつに1人で勝つなんて無理だ。だが・・・」
ギルダーツは地面に手を当てると、ティオスの足元が粉々に砕ける。ギリギリで青年は回避したが、その魔力の高さを侮ることはできない。
「俺たち全員でなら、勝てるだろ」
ニッと笑ってみせた彼に2人が・・・他の魔導士たちも同調するようにうなずく。彼らは全員が魔力を次第に高め、敵の動きを一心に見つめている。
「全員でなら勝てる・・・ね」
ギルダーツの言葉を聞いてもティオスの余裕は崩れない。それどころか、彼は勝てると言われたことに少し苛立ちを感じていた。
「お前ら程度が何人集まろうが関係ない。俺が−−−」
グラッ
「??また?」
自身も戦いのために魔力を高めようと翼を広げた瞬間、先ほどのように体が微かに揺れた。だが、今度は特に風もない。訳がわからずにいると、視界の端に突っ込んでくる人影が入った。
「竜魔の・・・」
「火竜の・・・」
「「鉄拳!!」」
自身の異変に気を取られていたティオスは2人の竜の攻撃に反応が遅れてしまった。その結果、両者の攻撃をまともに受けてしまい、バランスを崩す。
「ポッチャリなめちゃいけないよ!!」
「ネ拘束チューブ!!」
バランスが崩れたタイミングでリズリーが重力変化の魔法を使いさらに追い討ちをかける。それに合わせてミリアーナがチューブで体を拘束しにかかる。
「封印の氷地獄!!」
しかし、ティオスは持ち前のパワーで無理やりに左腕を振るい、チューブと周辺にいた数人の魔導士を凍らせる。その中にはリズリーも含まれており、彼は重力の中から抜け出ることができた。
「竜魔神の・・・」
相手の猛攻が止まったそのタイミングで今度はティオスが仕掛ける。口へと魔力を集めていく彼を見て、全員が一斉に距離を開ける。
ダッ
そんな中、2つの影が他の者たちとは別の行動に出た。ティオスに対して距離を開けるどころか突っ込んでいくのだ
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