第百六十話 伊勢の神託その八
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「しない」
「そうした考えだね」
「この辺りにも遊郭があるが」
そうした店もあるにはある、そしてあるのならば人が入る。それが世の中というものであるのはこの世界でも同じだ。
「しかしだ」
「あんたはだね」
「入らない」
そうするというのだ。
「絶対にな」
「そういうことだね」
「酒と美味い食いものでな」
「普通の酒池肉林を楽しむんだね」
「この通りな」
こう言って酒を飲むのだった。
「していく、それに腹一杯食うとな」
「そうした遊びはだね」
「すぐには出来ないからな」
「まあ何でも楽しむのはいかんとよ」
香織も伊勢うどんを食べつつ話す。
「お酒も美味か食べものも満喫ばして」
「女ともなるとな」
「身体に毒とよ」
「その通りだな」
「というかあんた大坂ではたい」
「女をいつも楽しんでいるからだな」
「旅の時もそうだったとよ」
だからだというのだ。
「伊勢にいる今はたい」
「慎むべきだな」
「そうした時も必要たい」
その伊勢うどんを食べつつ話す。
「そうすることたい」
「そうだな」
「それでたい」
香織はさらに話した。
「今はどんどん食べるとよ」
「そして飲むことだな」
「この伊勢うどんも」
「松坂牛のすき焼きも伊勢海老もな」
「そして海の幸も」
伊勢海老以外のそちらもというのだ。
「そして何といっても」
「何だ」
「赤福は外せんとよ」
赤福餅、これはというのだ。
「絶対に」
「それはか」
「そうたい」
まさにとだ、香織は笑って話した。
「私は赤福ば大好きとよ」
「だからだな」
「赤福はたい」
何といってもというのだ。
「伊勢に来たならたい」
「そうだな、伊勢ならな」
「赤福たいな」
「それも忘れてはならない」
英雄もこう言った。
「やはりな」
「だからたい」
「それでだな」
「赤福も食べるとよ」
「最後はそれだな。飲んでもな」
日本酒をというのだ、甘いものには合わない酒だ。それでこの浮島でも甘党のものは酒を好まないとよくされているがこれは英雄達が起きた世界の日本でも同じだ。
「赤福も食うか」
「そうするとよ」
「なら俺もだ」
「食べるたいな」
「俺は甘いものも好きだ」
酒が好きだがというのだ。
「だからな」
「それでたいな」
「そちらもだ、しかしだ」
「しかし?」
「日本酒は確かに甘いものには合わないが」
そうした酒だがというのだ。
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