第41節「英雄」
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一撃でネフィリムの左腕は切り落され、毒々しい緑色の体液を飛び散らせながら地面に落ちる。
「──ッ!」
更に、ホイール状の丸鋸が高速起動しながら、ネフィリムの腹を切り裂く。
「ああッ!?」
驚く装者達。
響の窮地を救った二人……調と切歌は着地すると、得意げな笑みを浮かべた。
「シュルシャガナと……」
「イガリマ、到着デスッ!」
「お前ら……」
「来てくれたんだッ!」
増えた仲間に、喜ぶ響。
だが、切歌はネフィリムの方を振り返ると、呆れたように呟いた。
「ふ……とはいえ、こいつを相手にするのは、けっこう骨が折れそうデスよ……ッ!」
「ギャオオオオオオオン!!」
見れば、切り落としたネフィリムの左腕はもう再生している。
成長したことで、再生能力が上がっているのだ。
「いや……それだけじゃないッ!」
「な……ッ!? なんだありゃあッ!?」
純が見つめる先は、先ほど切り落としたネフィリムの腕だ。
それを見た装者達の頬に、冷や汗が伝う。
なんと、そこには……切り落とされた腕から分裂し、新たなネフィリムが増殖している光景があったのだ。
「あれは、ネフィリムの幼体……ッ!?」
「しかも、1、2、3、4、5……どんどん増えてるッ!?」
小型ではあるが、ネフィリムは幼体でも人間の大人二人分ほどの巨体だ。
それが10体を越える数で襲ってくれば、厄介なことは言うまでもない。
ガングニールに加えて、生弓矢まで喰らっていた影響がここに来て発露したのだ。
「どうすりゃいいんだよ……ッ!」
「纏めて倒すしかあるまいッ! 皆、行くぞッ!」
立ち塞がる絶望。それでも、8人は諦めずに立ち向かう。
世界中が、彼女らの勝利を信じているのだから……。
ff
「無駄ですよ、無駄。成体となったネフィリムに、勝てるわけがないじゃないですか」
ネフィリムと戦う装者達をモニター越しに見ながら、ウェルは嘲笑う。
そこへ……彼は飛び込んできた。
「それはどうかな」
「ッ!? 君ですか……」
忌々しさに顔を歪めながら、ウェルはツェルトを睨んだ。
「マリィ達は負けない。そしてドクター、お前はここで終わりってわけだ」
「へッ、よりにもよって君が来るとは……。ですが、今の僕に勝てるんですか? ネフィリムの左腕を手に入れ、真の英雄となったこの僕にッ!」
「そのグロテスクっぷりはどちらかといえばヴィランの類だろ。X−Menに目を付けられそうだな」
「ミュータント扱いはやめてもらえますかねぇ?」
早速煽りを入れつつ、ツェルトはウェルに近づいていく。
「だったら聞くが……なぁ、ドクター。お前は何を以て英雄を名乗るんだ?」
「そんなもの、決まっている
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