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曇天に哭く修羅
第三部
時間稼ぎ
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4人は救出に向かってもらうことになるね。狂伯くんは此方に対して暗にそれを指示してるのは間違いない」


他の人間が動けば向子達が動かなければならないように持っていかれるだろう。


「狂伯さんのことだし特別ルールで数を揃えてくる可能性が高い。しかも一人一人の質が高い粒揃いで集団戦にも明るい連中ばっかりを」


3年生の副会長《春日桜花(かすがおうか)》と向子は狂伯との駆け引きに負けてしまったので不利になる動きしか出来ない。


「みんなが戻って来るまではあたしが時間稼ぎをしておくから任せて。たまには向子さんの良いところを観客にも見せとかないと」


今日の龍帝メンバーは向子・紫闇・桜花・《的場聖持》・《黒鋼焔》だが狂伯が残って戦うことを望むのは向子らしいので乗ってやる。

そして現在スタジアムでは。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


「龍帝の会長。まさかこれ程とは」

「公式戦で魔術師の異能を使ったことが無いと聞いていたが納得した」


暗部は学園の上層部から降りた命によって裏の仕事をこなすプロの工作員であり、敵対する学園の人間を殺すこともまま有る。

時として暗部同士でも戦う。

出場を禁止されているので【天覧武踊(てんらんぶよう)】という華やかな表舞台で人目に付くことは無いが、代わりに命懸けの実戦をしているだけあって学園の代表メンバーより高い戦闘能力を持つ者も珍しくない。

そんな人間が既に20人倒れていた。


暗部は厳しい訓練を受けている。

私情を捨てる教育もされる。

兵士としての練度も高い。

それでいて統制が取れた一糸乱れぬ連係を容易く見せる暗部の集団が魔術師とは言え、たった一人の女に手も足も出ないのだ。

翻弄されていると言って良い。

向子は未だに武器の【魔晄外装】を出さず、魔晄防壁を張ったまま身体強化を掛けた状態の生身で戦っている。


正面から闇色のクナイが飛ぶ。

向子は別の方を向いたまま回避。

そのクナイが向きを変えた。

おまけに分裂して増える。

そこに仲間の異能も追加。

追尾・分裂・(かす)っただけで殺すという天覧武踊への出場を禁止されても仕方のない力を有したクナイを死角の背後から。

向子はそれを手ではたき落とし、身を躱し、掴んで当たらないように投げ返し牽制するという行動に出た。

異能を使った3人は想像の埒外(らちがい)に有る動きに対応できず、自分達の方へ近付いてきた向子によって一撃で倒されてしまう。


その時死んだふりをしていた刻名館のメンバーが拳銃を取り出して不意打ち。

魔獣領域で得られた材料で作った弾丸(それ)は魔神の魔晄防壁でも貫くことが出来る。

しかし
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