TURN42 雨蛙その九
[8]前話 [2]次話
「可能性で言えば敗れる」
「そうなりますか」
「しかし。日本はこれまで勝ってきた」
ここでこう言うレーティアだった。
「期待はするか」
「はい、それでは」
外務省の官僚とはこうした話をした。そしてだった。
ドイツの兄妹をすぐに呼びだ。今度はこうした話をした。
「君達はそろそろシャイアンやブルガリアに入ってくれ」
「そして遂に」
「あの作戦を発動するのですね」
「そうだ。バルバロッサ作戦を発動する」
いよいよだ。その段階に来たというのだ。
「だからだ。いいな」
「了解。それではです」
「すぐにソビエトとの国境に向かいます」
「ロシア平原やウクライナを攻略してだ」
どうするかとだ。レーティアは話していく。
「モスクワを狙う。あの星域を陥落させれば我々の勝利だ」
「では攻撃目標あくまで」
「モスクワだ」
レーティアはドイツ妹の問いに断言で返した。
「いいな。他の星域はあくまでその戦略目標の前に攻め落としていくだけだ」
「あくまでモスクワを狙えと」
「ウクライナもリトアニアも攻めるがだ」
だがそれでもだというのだ。
「あくまで狙うのはモスクワだ。いいな」
「了解しました。それでは」
「モスクワを攻め落としソビエト全土を手中に収める」
人類の国家でも最も広大で資源を多く持つこの国をそうしてだというのだ。
「その力を以てすればだ」
「ドクツを抑えられる国はなくなりますね」
「返す刀で再びエイリスに決戦を挑む」
先には敗れたが今度こそはだというのだ。
「そして勝つ。いいな」
「大きいですね。バルバロッサ作戦の意義は」
「この作戦の是非でドクツの運命が決まる」
まさにだ。そこまでの作戦だというのだ。
「だからだ。君達にも健闘を期待する」
「了解した」
ドイツはドクツ軍の敬礼で返答した。
「ではだ。ドクツの為に」
「祖国君達も頼む」
レーティアはいよいよドクツの運命を決定付ける作戦を発動させようとしていた。欧州もまた再び風雲急を告げようとしていた。マルスはその戦火の拡大を心から喜んでいた。
TURN42 完
2012・7・20
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ