第三章
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「おいを」
「そうしていいでごわすな」
「そうしたいなら」
「なら」
大久保は躊躇しなかった、それでだった。
刀を一閃させクロドンを唐竹割りにした、まさに真っ二つであった。
だが真っ二つになってもクロドンはその離れ離れになった身体で言ってきた。
「生きてるでごわすよ」
「そうでごわすな」
大久保もそのクロドンに応えた。
「確かに」
「真っ二つになっても生きているおいをどうして倒すでごわすか」
「こうするでごわす」
大久保は余裕を以てだった。
そのクロドンに近付くと先程使った刀で彼の身体の右の方から肝を一片切り取った、そうして言うのだった。
「美味そうでごわすな」
「ま、待つでごわす」
クロドンは急に慌てて言った。
「おいを食うでごわすか」
「そうするでごわす、薩摩は昔はでごわす」
「強者の肝ば喰らうでごわすな」
西郷も言ってきた。
「そうしていたでごわすな」
「それで、でごわす」
今もというのだ。
「おいもでごわす」
「今からでごわすか」
「喰らうでごわす」
「待つでごわる」
クロドンはまた言ってきた。
「それは」
「それはどうしてでごわすか」
「おいは身体を少しでも喰われると死ぬでごわす」
このことを自分から言った。
「だからでごわす」
「食ったら駄目でごわすか」
「そうでごわす、こうなっては仕方がない」
まさにというのだ。
「負けを認めるでごわす」
「そうするでごわすか」
「今死ぬ気はないでごわす」
「そうでごわすか」
「おいが死ぬ時は薩摩で戦ば起こった時でごわす」
こう大久保に言うのだった、離れ離れになった身体で。
「だからでごわす」
「今は生きたいでごわすか」
「それで、でごわす」
「負けを認めるでごわすな」
「そうするでごわす」
「なら」
大久保はクロドンの言葉を聞いて笑みを浮かべた、そしてだった。
肝を彼の身体に戻し身体もくっつけた、そうすると大久保は笑顔で言った。
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