第5楽章〜鋼の腕の伴奏者〜
第40節「はじまりの歌」
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がある。邪魔をする奴らは重力波にて足元から引っぺがしてやるッ!」
怒りに顔を歪ませたウェルは、コンソールに左手を置く。
目の前のモニターには、中央遺跡へと向かってくる装者達の姿があった。
「人ン家の庭を走り回る野良猫め……フロンティアを喰らって同化したネフィリムの力を──思い知るがいいッ!」
炉心に接続された心臓が怪しく光り……直後、中央遺跡周辺の地面が蠢めきだす。
地面が盛り上がり、寄り集まった土は巨大な土人形の形を取っていく。
そして成形が終わった時、その巨大な土人形は……ネフィリムの成体を形作っていた。
「ガアアアアアアアッ!!」
突如出現し、大口を開けて咆哮する黒い巨大怪獣の姿に響は驚く。
「外の、あれ、何──ッ!?」
「多分、フロンティアを喰らって同化した……ネフィリム」
『本部の解析にて、高質量のエネルギー反応地点を特定したッ! おそらくはそこがフロンティアの炉心──心臓部に違いないッ!』
『僕達が先行して、ウェル博士の身柄を確保しますッ!』
『響くんは、翼たちと合流して外の奴に対処してくれッ!』
「はい、師匠ッ!」
へたり込んだまま、マリアは響を見上げながら絞り出すように言った。
「お願い、戦う資格のない私に代わって、お願い……ッ!」
響はしゃがんでマリアに視線を合わせ、真っ直ぐに見つめる。
「調ちゃんにも頼まれてるんだ……マリアさんを助けてって。だから心配しないでッ!」
「……ッ」
「待っててッ! ちょーっと行ってくるからッ!」
「行くぞ響、みんなが待ってる」
翔はツェルトから借りたMark−Xの装着を終え、生弓矢のコンバーターをブレスに装着していた。
響は翔と共に、ブリッジの窓から飛び降りる。
ギアを失ったマリアはただ、その背中をじっと見つめていた。
ff
浮遊する岩を足場に、翔と響は仲間達の元へと跳んで行く。
「翼さんッ! クリスちゃんッ!」
「翔……立花……」
二人が駆け寄ると、翼は申し訳なさそうな顔で二人を見る。
「すまない……迷惑をかけた」
「ううん。戻って来てくれるって信じてた。おかえり、姉さん」
「翔……」
「わたしも、もう遅れはとりませんッ! だからッ!」
「立花……」
二人は翼の手を取り、笑顔で迎える。
自分を信じてくれている弟と後輩。その温かさに、翼は泣きそうになるのを堪えて応える。
「──ああ……一緒に戦うぞッ!」
「はいッ!」
「へぇ、奇妙な縁もあるもんだな……」
「「ッ!?」」
聞き覚えのある、懐かしい声。
翼の後ろに立つ彼女の姿に、二人は声を揃えて驚いた。
「「奏さんッ!?」」
「どうして奏さんがッ!?」
「ほ、本物
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