TURN42 雨蛙その二
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「もうすぐしたら来る」
「そしてですね」
「あの娘も提督に加わる。しかしだ」
「そのペコさんがですか」
「あの娘のことはもう知っているな」
「はい、雨ですね」
ベトナムでの戦いで見たそれをだ。日本も言った。
「あの雨ですね」
「あの娘は極端な雨女だ」
宇宙でも家の中でも艦内でも降らせる程だ。これは最早超常現象の域に達していると言ってよかった。少なくとも尋常なものではない。
「それでだ」
「ここに来られることもですね」
「私の言うことなら何でも聞いてくれるが」
祖国の言葉ならだというのだ。
「それでもだ。雨が降ってもだ」
「ああ、それは気にしないでくれ」
東郷が笑ってベトナムに言葉を返した。
「どうということはないさ」
「雨に濡れてもか」
「ああ、構わない」
こう返す東郷だった。
「別にな」
「わかった。それではな」
「陰陽道の術を使っています」
日本が言う。彼の持っている術の一つだ。
「ですから」
「そうか。それではか」
「はい、皆さんに結界を張っていますので」
「雨を弾くか」
「濡れることはありません」
「日本は色々な術を使えるな。相変わらず」
「何と申し上げますか。これでも高齢なので」
原始の八国のうちの一国だけはあった。
「そうなっただけです」
「しかし備えはしたか」
「既に」
だから大丈夫だというのだ。そうした話をしてだった。
一行は茶を飲みながらその純和風の茶室の中で最後の客人を待った。やがて外から人の気配がした。
ベトナムはその気配を察してだ。茶室の狭い出入り口に顔を向けて言った。
「来たな」
「ふえっ!?」
そこから驚いた声があがった。
「祖国さんですか!?」
「そうだ、私だ」
ベトナムはその声の主にまた言った。
「入れ」
「あの、本当にいいんですか?」
「私がいいと言っている」
国家である自分がだというのだ。最初は。
「それにだ。日本達もいいと言っている」
「だからですか」
「中に入れ」
茶室の中、ベトナムが今いるそこにだというのだ。
「いいな。それで」
「わかりました。それじゃあ」
ベトナムの言葉を受けてそうしてだった。フェムは狭い出入り口を潜って茶室の中に入った。そのうえで用意されていた座布団の上に座った。彼女も正座ではない。
フェムにも山下が淹れた茶が出される。それを日本が教える茶道の要領でおどおどとした感じで飲む。それからだった。
東郷がだ。フェムに言うのだった。
「今日君に来てもらった理由は他でもない」
「提督ですか?」
「そうだ。提督として我々に協力してくれるか」
「ベトナムも独立した」
今度はベトナムがフェムに言ってきた。
「そして軍を持つことにした」
「それでなんで
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