第五十九話 先輩と神戸でその八
[8]前話 [2]次話
「あの人が告白されて」
「それでね、相手の子が失礼なことしたと思って」
「徹底的に、ですか」
「色々したけれど」
「それでその時の三年の人に怒られたんですね」
「寮でね。私が皆を集めて高校の正門で聞こえる様に陰口を言っていたのを見ておられて」
「そのお話本当だったんですね」
先輩が嘘を吐くことはないです、だからすぐにわかりました。
「じゃあ神殿のことも」
「そのことも後で聞かれて」
それでというのです。
「怒られたの、自分がされたらどう思うかって」
「誰だって嫌ですわね」
「だからするなってね」
「そう言われてですか」
「そこまで残酷な人は絶対に駄目だって」
「残酷とも言われたんですね」
「ええ、自分が絶対に正しいって思ったらね」
そして相手が絶対の悪だと思えばというのです。
「その時が一番怖いのよ」
「人は何処までも残酷になれるんですね」
「そうなるから」
だからだというのです。
「ちっちも気をつけてね、その時先輩に怒られてわかったから」
「人は正しいと思わないことですね」
「自分がね、絶対の正義とかってないの」
先輩は私にこうもお話してくれました。
「そして誰かが絶対の悪っていうのも」
「ないんですね」
「そこを間違えるとね」
「駄目なんですね」
「私みたいになるの」
「そう、ですか」
「相手の子を徹底的に傷付けるから」
だからというのです。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ