第九十三話 安芸の掌握その三
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「よし、ではいよいよな」
「武田家ですな」
「あの家を攻めますな」
「そうしますな」
「いよいよ」
「うむ」
まさにというのだ。
「そしてじゃ」
「武田家を降し」
「そして、ですな」
「この安芸を一つにする」
「そうしますな」
「うむ、そしてな」
それでというのだ。
「次は備後と考えておるが」
「まずは、ですな」
「武田家ですな」
「あの家を降す」
「これよりそうしますな」
「その時が来た、これまで長い間いがみ合ってきたが」
それでもというのだ。
「遂にな」
「その時が終わりますな」
「いよいよ」
「そうなりますな」
「そうじゃ、では攻める用意をするぞ」
「して、ですが」
元網がここで兄に言ってきた。
「吉川家も小早川家も」
「無論じゃ」
即座にだ、元就は元網に答えた。
「そのことはな」
「やはりそうなりますな」
「共に戦の場に出てもらってな」
「戦ってもらいますな」
「そうしてもらう、一門としてな」
「家臣ではなく」
「二郎と四郎が主となるのじゃ」
それならというのだ。
「そうなろう」
「確かに」
「ではよいな」
「それでは」
「うむ、先陣はお主としたい」
元網にはこう言った。
「頼めるか」
「先陣ですか」
「そうじゃ」
それはというのだ。
「ではな」
「そうしてくれますか」
「そしてじゃ」
そのうえでというのだ。
「戦ってもらうぞ」
「では」
「そしてな」
そのうえでというのだ。
「戦うが」
「それでもですか」
「国人達もな」
武田家の下にいる彼等はというと。
「まだこちらにつきそうな者達はな」
「引き入れますか」
「そうする」
こう言ってだった。
元就は実際に武田家についている国人達をこちらに引き入れていった、力の差が明らかになるとだった。
彼等も次々に毛利家についた、すると。
それを見てだ、元就は遂にだった。
「ではな」
「これよりですな」
「武田家を攻めますな」
「そうしますな」
「これより」
「その様にする」
こう言ってだ、そしてだった。
武田家に向けて出陣した、するとだった。
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