第十幕その六
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当日先生はトミーと王子そして動物の皆を一緒に神社に行って流鏑馬を見ることにしました、その中で。
王子は先生にお顔を向けてこう言いました。
「いよいよだね」
「うん、流鏑馬がね」
「行われるね」
「そうだよ、競技も大変だけれど」
「こちらもだよね」
「凄くね」
本当にというのです。
「大変なものでね」
「やるとなるとね」
「だから彼も必死に練習して」
「そしてだよね」
「神様にお願いもしたから」
「絶対にだね」
「成功するよ」
まさにと言うのでした。
「彼は」
「じゃあその成功する場面をだね」
「今から見ようね」
「それじゃあね」
二人でお話してです、そうしてでした。
先生は皆でホフマン君の流鏑馬を見守りました、流鏑馬の武士を思わせる着物姿で馬に乗っている彼はとても凛々しかったです。
その彼が馬に乗って弓矢を構えて。
的を見事に射抜きました、すると先生も他の皆も観衆の人達もです。
拍手喝采です、そうして歓声をあげました。その後でトミーが先生に言いました。
「神様にお願いしたこともですね」
「うん、やっぱりね」
先生はトミーにも答えました。
「よかったよ」
「そうですよね」
「彼も嬉しいだろうね」
「嬉しくない筈がないよ」
まさにというのです。
「本人さんがね」
「やっぱりそうですよね」
「そう、そしてね」
「そして?」
「今は絶対にほっとしているよ」
「無事に成功して」
「それでね、彼と会ったら」
その時はとです、先生は笑顔でお話しました。
「そのお顔が見られるよ」
「それは何よりですね」
「何かをやり遂げたら」
「その時はですね」
「誰でもほっとするからね」
だからだというのです。
「そうなるよ」
「そういうことですね」
「彼は次は競技に出るけれど」
「それでもですね」
「一つの大きなことを終えて」
それも成功させてです。
「ほっとしているよ」
「絶対にそうですね」
「僕が若し彼と同じ状況だったら」
「今はほっとしていますね」
「絶対にね」
そうなっているというのです。
「だからね」
「それで、ですよね」
「僕達は彼を祝福してあげよう」
「無事に成功させられたので」
「そうしようね」
こうしたお話をしていると、でした。
先生の携帯にホフマン君から連絡が来ました。流鏑馬をした人の休憩場所に来て欲しいとです。それで、です。
皆と一緒にそこに行くとでした。流鏑馬姿のホフマン君がほっとしたお顔でパイプ椅子に座っています。そうしてです。
先生達にお茶を出してこんなことを言いました。
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