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ヘタリア大帝国
TURN41 雨と盾その十二
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「一撃で済みますから安心して下さい」
「お待ち下さい、福原提督」
 彼女の前に来ても言う秋山だった。東郷は獅子団全体に通達を出したが彼は動き回ることになった。ここでも彼は苦労人だった。
 そして陸軍もだ。あちことでこうした騒動を起こしだ。長官である山下が日本に言われていた。
「不埒者はくれぐれもです」
「許さず成敗せよと仰るのだな祖国殿も」
「いえ、ご自重下さい」
 予想していた返答なので。日本はこう返した。
「捕まえることはいいですがその後は」
「何っ、釈放しろとでも仰るのか」
「いえ、ベトナムさんにお渡し下さい」
「ではベトナム殿に任せよと仰るのか」
「その通りです。そうして下さい」
「悪党、しかもああした下種は成敗してこそだが」
 あくまでこう言う山下だった。
「しかしなのか」
「そうです。ご自重をお願いします」
「ううむ。では憲兵隊もか」
「韓国さんのところでは両班を成敗もされましたね」
「良民を虐げ無法の限りを尽くす」
 山下が最も忌み嫌うことである。そして陸軍軍人の殆どが。
「成敗して当然だ。しかしその成敗もだ」 
 どうかというのだ。それもだ。
「一太刀だ。あの者達の様に苦しめることはしない」
「それは韓国星域が当時は日本領でしたので」
「問題はなかったのか」
「そうです。しかし今各国は独立しています」
 そして各国の政府と法律が動きだしている。それではだというのだ。
「各国の政府に協力するのはいいですが」
「成敗まではか」
「憲兵は逮捕権はあります」
 そうした隊なのだ。それが仕事であるだけにだ。
「海軍でも法務将校の権限があればですが」
「平良提督や福原提督だな」
「逮捕権はあります。また現行犯ならばその場での処刑の権限もあります」
 だから平良や福原も不埒なエイリス貴族を成敗しようとしたのだ。彼等も軍人であり法により動く者達なのだ。
「しかしです」
「ここは日本ではない」
「くれぐれもお気をつけ下さい」
「逮捕権だけか」
「それは各国政府からも要請されていますので」
 協力をだというのだ。
「ご安心下さい」
「そういう事情ならな」
「おわかり頂けましたね」
「悪人を成敗することもまた武人の務めだが」
 平良と殆ど同じことを言った。無論行動もだ。
「しかしそれならばな」
「そういうことでお願いしますね」
「わかった」  
 確かな声でだ。山下は頷いた。
「ではその様にな」
「くれぐれも。後です」
「後。どうした?」
「これからお茶をどうでしょうか」
 日本は山下にそれを勧めてきた。
「茶道を。どうでしょうか」
「いいな。それではな」
「山下さんは茶道がお好きでしたね」
「華道もだ。あと和歌も好きだ」
 雅なところも見せる山
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