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ヘタリア大帝国
TURN41 雨と盾その一
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故に」
「法律は守らなくてはならない」
「そして今この星域はベトナムです」
 もう一つ事情があった。
「他国なのです」
「ベトナムの法律が適用されますか」
「その通りです。ですからご自重をお願いします。それに」
「それにとは」
「提督にとって軍規軍律は何でしょうか」
 秋山は今度はこのことを話に出した。
「それは何ですか」
「絶対のものです」
 東郷は軍人として言葉を返した。
「それ以外の何でもありません」
「そうですね。軍規軍律は軍にとっては法ですね」
「そしてその法をですか」
「お守り下さい」
 秋山も引かない。物腰も口調も丁寧だがそこには強さがあった。
「そうして頂けるでしょうか」
「わかりました」
 平良とて愚かではない。秋山にそうした根拠まで出されて説得されてだ。
 納得してだ。刀から手を外し失禁寸前の貴族を見下ろして述べた。
「ではこの下郎はベトナム殿にお任せします」
「そうして頂ければ幸いです」
「その様に」
 平良もこれで納得した。秋山はとりあえずは胸を撫で下ろした。しかしそれからすぐにだった。今度は福原がだ。
 これまたベトナムの良民を虐げていたエイリス貴族ににこやかに笑って拳銃を突きつけていた。そしてやはりこう言うのだった。
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