暁 〜小説投稿サイト〜
リリカルな世界で、それでも生きる罪《アマゾン》を背負う
俺の義妹/わたしのおにいちゃん
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と言って涙を目に溜めて懇願してきた上に、美由希さんにもそう責められた。恐らくこれ以上の抵抗は徒労に終わると思い。必要以上に近づかない事を条件にこちらから折れた。

そして今に至る。
溜息をつきながらも歩を進める自分の近くには、とても嬉しそうに後を着いてくるなのはの姿が見える。
...思えば、今まで皆を守る為とはいえ、なのはに対してキツくあたりすぎていたかも知れない。
仕方ない、たまには、こういう日があってもいいじゃないか。そう思います、なのはに向き直る。

「なのは、どこに行きたい?今日はお前の行きたいとこに合わせるよ」

「......いいの?」
「いいんだよ。今日くらいは付き合うさ」

そこまで言うと、なのははより一層目を輝かせて、「まずはあっちにいきたい!!」と言い出してきた。
この時俺は、不覚にもこう思ってしまった。
なんて、平和(ばちあたり)なのだろう、と。
これから起きることはきっとそう思ってしまった事への罰、なのだろう。

それから暫くは、商店街をねり歩いたり、公園でなのはの遊びに付き合ったりして時間を過ごした。

グゥ〜「あ、えへへ...」
「...いい時間だし、おやつにしよっか」

そう切り出して、近くにあったたい焼き屋の屋台に向かった。

「すいません。たい焼きをこの子に1つ」

「おや、その子のお兄ちゃんかい?しっかりしてるね〜。よし!ここはおばさんがボクの分をサービスで付けといてあげるよ」

「え、いやあの...「礼はいらないから妹ちゃんと一緒にたべな」...分かりました」

たい焼きを買って、なのはと一緒に近くにあった商店街入口の休憩スペースで腰を下ろす。

「お兄ちゃんありがとう!!」

「冷めないうちに食べろよ」

そうして美味しそうにかぶりつくなのはを横に、''つい、たい焼きを口に入れてしまった''。そして、

「ッ!?...う...グ、オェッ」
「お兄ちゃん!?」

強い吐き気に襲われた。やってしまった、そう思うも時すでに遅く、耐え難い吐き気に商店街奥のトイレスペースに駆け込みで行く。

「どこいくのお兄ちゃん!?なのはをおいてかないで!!」

そんななのはの声を聞く余裕はなく、やがて人混みに消えていった。





「はぁ...はぁ...」
やってしまった。いくら雰囲気に流されたとはいえ、なんて間抜け。
なのはも置き去りにしてしまったしはやく行ってやらないと。そんな時、俺の、アマゾンとしての本能が背筋を凍らせる。
...まさか、なのは?

そこからは考えるより先に体が動いていた。
人間離れした速度で、商店街入口へと駆け戻る。そして 、近づいてくるにつれ、鋭敏になった聴覚がなのはと別の女性の嫌がる声、
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