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レーヴァティン
第百六十話 伊勢の神託その六

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「やはりな」
「そうですか」
「俺としてな、だが俺のこの世界でやるべきことはわかっている」
 まさにというのだ。
「このことはな」
「だからですね」
「ここで神々に仕えることは出来ない」
 そう願っていてもというのだ。
「だからだ」
「それで、ですね」
「神託を伺ったならな」
「大坂に戻ってな」
 その神託の結果がどうであれというのだ。
「政に戻る」
「そうされますね」
「そうだ、ではな」
「はい、天照大神の社に」
「行くとしよう」
 こう話してだった。
 一行はそちらに向かった、そうしてだった。
 実際に紅葉が神託を伺った。そしてその神託を聞いてだった。英雄は言った。
「まだか」
「知るべき時でない」
「この浮島を一つにした時にです」
「またここに来い、か」
「そう言われるとは」
「ならだ」
 英雄は淡々として言った。
「それでいい」
「ではですね」
「統一した時にだ」
 この時にというのだ。
「またここに来る」
「そうしてでありますね」
 峰夫が応えた。
「知るでありますね」
「そうする、だからな」
「今は」
「大坂に帰ってだ」
 そうしてというのだ。
「また政だ、だが」
「その前に」
「伊勢に来たのだ」
 それならというのだ。
「やはりな」
「食べるでありますね」
「そうだ、伊勢うどんにな」
 まずはこのうどんを挙げた。
「そして伊勢海老もな」
「食べて」
「松坂牛もな」
 こちらもというのだ。
「すき焼きで食うな」
「お話に出た通りに」
「そうする、あと何といってもだ」
「伊勢海老でありますか」
「それを食う、他の海の幸も食いたいが」
 まずはというのだ。
「それだ」
「そうでありますな」
「前にもここに来た時に食ったが」
 その伊勢海老をというのだ。
「だがな」
「今回もでありますな」
「食う、そして飲む」 
 英雄はこちらのことも忘れていなかった、彼は食うだけでなくそちらも好きでそれで言うのである。
「そうする、それでいいな」
「では」
 峰夫は楽しそうに応えた、そして実際にだった。
 一行は大社を出てその前に広がる横丁に出るとだった。
 早速飲み食いをはじめた、まずは伊勢うどんだったが。
 真っ黒い少しのつゆの中にある太いうどんを食ってだ、英雄は言った。
「変わらないな、この味は」
「美味いね」
 桜子もそのうどんを食って笑って言った。
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