第百六十話 伊勢の神託その一
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第百六十話 伊勢の神託
英雄は今は地球儀、この世界のそれを見ていた。それは術がかかっていてそれぞれの浮島も周りに出ていた。
その地球儀、直系一メートル程のそれを見つつ仲間達に言った。
「俺達の浮島はこの世界の太平洋の上にあるか」
「その様ですね」
良太が彼の今の言葉に応えた。
「南太平洋の方の」
「周りに島も浮島もないな」
「そこにあるとか」
「そして西の浮島は地中海にあるか」
今度はそこの話をした。
「そうなっているか」
「左様ですね」
「そして今この世界にあるものはな」
「その二つの浮島だけです」
「そうだな」
「そう思いますと」
どうかとだ、良太は英雄に話した。
「この地球儀の殆どを石にした海の魔神というものは」
「かなりの力を持っているな」
「神と言ってもそれぞれですが」
「神の中でもな」
「そこまでの力を持つ魔神は」
まさにというのだ。
「恐ろしい存在です」
「神の中でもな」
「魔神ですが」
神であるからだというのだ。
「非常にです」
「強い力を持っているな」
「はい、何しろ地下世界までです」
「この地球儀の中にあるな」
「そちらまで全て石にしたうえで」
「海の中に覆った」
「これだけの力を持っているとなると」
非常にというのだ。
「海の魔神の力は」
「恐ろしい存在であり、な」
「私達が戦うとなると」
「かなりの強敵だな」
「はい、ですから」
「俺達もかなりの力を備える必要がある」
英雄は地球儀を見つつ良太に話した。
「そうなるな」
「左様です」
「俺達にな」
「西の浮島の彼等に」
「その軍勢も合わせてな」
「戦わないとです」
「勝てないな」
「おそらく」
良太は英雄に強い声で話した。
「そうかと」
「やはりそうだな」
「はい、ですから」
それでというのだ。
「まずはこの世界を統一し」
「力を一つにする」
「そして兵達によい装備を与え」
「さらに鍛えていく」
「そうしてです」
「戦うべきだ」
「そうなります」
「やはりそうだな」
「ですから我々の戦略は正しいです」
浮島の統一を進めているそれはというのだ。
「実に」
「左様ですね」
「そうだな、だが海の魔神のことはな」
「まだ何もわかっていません」
「何者で具体的に何処までの力を持っているか」
そうしたことがというのだ。
「何一つしてだ」
「わかっていることは」
「力を持っている」
「そこまで出来るものを」
「それだけはわかっている」
世界の殆どを石に変えて海に沈めるまでのそれをとだ、英雄は鋭い目になり看破する様にして言った。
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