暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第38話:手品で出来るコト
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 一気に追われる身となった2人の、既に胡麻粒レベルに小さくなった姿を見て薄く笑みを浮かべると踵を返して洋館の中に戻っていくのだった。




***




 翼の見舞いから一夜明けて、学園での日常に戻っていた響。
 しかしその心は重く沈んでいた。

 何を隠そう、親友の未来に今まで秘密にしていたシンフォギアの事やノイズとの戦いの事などがバレてしまったのだ。
 以前颯人からの助言もあり、順を追って未来にだけは色々と事情を説明しようと思っていた。その矢先にあれである。

──未来……──

 偶発的に巻き込まれた事で何も説明しない訳にもいかなかったので、緒川の口から色々な事情をされた未来。
 その後帰宅を許された彼女が、遅れて帰宅した響に掛けた言葉は拒絶であった。それも当然か。今まで親友と言って、嘘など吐かないとまで言っておきながら秘密を抱えていたのだ。未来からすれば裏切られた気持ちであっただろう。

 結局その日は未来との間に溝を感じながら一夜を明かし、今朝は必要最低限の会話だけで距離を置きながら登校した。
 時間が経っても未来から感じる壁は一向に薄くなる気配を見せず、挙句の果てには安藤達の発言により昼食を途中で中断して食堂を飛び出して行ってしまった。

 このままではいけない。関係修復の意味でもけじめの意味でも、未来とちゃんと話をすべきだと考えた響は出ていった未来を追って屋上へと辿り着いた。

「未来、聞いて!」

 屋上で静かに佇む未来は、響からの声にしかし振り返る事をしない。その事に罪悪感の様な物を感じつつ、響は彼女に謝罪の言葉を口にした。

「まず、これだけは言わせて……ごめんなさい!」
「どうして響が謝るの?」
「未来はわたしの事、ずっと心配してくれてたのに、わたしはずっと未来に隠し事して心配かけ続けてきた。私は──」

 自身の胸の内を明かそうとする響だったが、その彼女の言葉を未来が遮った。

「──言わないで」
「……え?」

 響の言葉を遮って振り返った未来の目からは、涙が零れ落ちていた。

「これ以上、私は響の友達でいられない……ごめん!」

 泣きながらそう言って、響の横を走って通り過ぎようとした未来。

 しかし響はそれを許さなかった。

「待って!?」

 真横を通り過ぎようとする未来の手を掴み、彼女を引き留める。まさかここで引き留められるとは思っていなかったのか未来は驚愕に目を見開き、半ば力尽くで響を振り払おうとした。

「ッ!? 離して!?」
「未来お願い! 話を聞いて!!」

 ここで未来を行かせてはいけない。響はその一心で未来を引き留め、その強引な姿勢に未来は半ばパニックを起こしてしまう。

 そして────


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