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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
いかにしてあたしは、どう生きるか。
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この近野という女性、田所さんに対して異様にベタベタしている。

「先輩がみんなを助けようって言って、私もそれに同意したんです。やっぱり先輩はすごくて、私にはこんなこと到底出来なくて…。」
「何いってんのさ。まぁ人助けは私の趣味みたいなもんだし、今やってんのはあくまでそれの延長。別にそんなすごいことでもないって。」
「先輩ってばもう…もう少し胸はって誇っていいんですよ!」

先輩はおそらく"普通"だ。
だがこの後輩、従えているサーヴァントは男性だが、
彼女は間違いなくこちら側の人間、あたしと"同類"だ。

「おうマスター!帰ったぜ!!」
「おかえり森くん。」

そうして話していると小さな扉をさっき会った森長可が屈んで潜ってきているところだった。
全身が血塗れなのと満面な笑みを浮かべている辺り、おそらくグールを全員倒したのだろう。

「って森くん!その血どっかで洗い流してきてよ。このままじゃ子供によろしくないって。」
「お、そうだな。この前ガキ共に泣かれちまったからな!」

そういい、うははと笑いながら彼は集落のはずれにある水場へと歩いていった。

「それじゃあ、森くんが鎧を洗い終わったらお茶でも出しますよ。彼のお茶、ほんとに絶品なんで。」
「い、いやいや、助けてもらった上にお茶もなんて…!」

世話になりっぱなしなのもよくないので断ろうとするが

「まぁまぁいいじゃないの!」
「ったぁ!?」

背中を思い切りバシッと叩かれる。
何事かと思えばその近野さんの先輩、田所先輩だった。

「困ったときはお互い様。お世話になったならどこかでそれを返せばいいじゃない!さぁ上がった上がった!」

無理矢理田所先輩に連れられ、あたしと香子はふたりの家へと招かれる。
簡素なつくりだが他のものより大きく、大人数でも充分なスペースのある部屋だ。

「よっこらしょ。」

部屋に入るなり田所先輩はあぐらをかいて座り込む。
ちなみに彼女のサーヴァントであるヘシアン・ロボは集落の外にいる。
やはり人間のにおいというものが嫌いなようで、見張りという役割も兼ねて外に置いているのだとか。

「いやーつかれたつかれた。あ、なんもないけど自由にくつろいでいいからね。」
「あ、はい…。」

流されるままあたしは床に座る。
椅子もテーブルも、家具らしきものは何もない。
とりあえず雨風がしのげるだけの家を作るので精一杯だったんだろう。
そして、

「田所様…お一つ聞きたいことが…。
「あーいいよいよ。たどちゃんでいいって。にしてもすごいねー?紫式部?滅茶苦茶強いやつじゃん!」

ま、私のロボも負けないくらい強いけどねー!と笑い飛ばし、田所先輩は話を戻す。

「話の腰折っちゃってごめんね。
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