暁 〜小説投稿サイト〜
リリカルな世界で、それでも生きる罪《アマゾン》を背負う
目覚め
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思えた。
ふらつき、水溜まりを覗き込んで見ると、そこには幼い少年の顔が写っていた。

外見年齢的に4、5歳位だろうか。明らかに体格は子供のそれだ。(千翼の生い立ちを考えれば、ある意味年相応だが)この事実により、より混乱が増大した。

「......!?グッ、ううゥ...ガアアッ...やめ...ろォ...!!」

「はぁ...はぁ...ハァッ......フゥー...早く、しないと...」

その間にも飢餓感...アマゾン特有の食人衝動が増していく。
千翼はそれを必死に堪え、また1つ、罪を重ねぬよう塀に手を付き、足を引きずりながらも人里から離れるためにその場を後にしようとする。

しかし、不幸や災難は、何時だって突然訪れる。


◆◇◆◇◆


少女と男が2人、雨の降りしきる夜を歩いている。男の方は少女の父親なのだろうか。オレンジ髪の少女の無邪気な姿に微笑ましい目を向けている。


「ちょっと遠くまで行ってたけど、桃子に怒られるかな...」
「だいじょうぶだよ!おかあさんやさしいもん!!」

「ははっ、そうだな。母さんは世界一やさしいな」ナデナデ
「えへへー」


そんな他愛ない会話で雨の中帰路につく親子だったが、ふと何かを見つけたかのように少女が立ち止まる。疑問に思い、男は少女に顔を向けた。

「どうかしたのか?なのは」

「おとうさん。あそこ、男の子がいるよ!フラフラだし、けがしてるのかな」

そう、なのはと呼ばれた少女が男に伝える。
なのはの言葉に従うように、指を指された方を見てみると、確かに、幼い少年が塀に手を付きながら、ふらついた足取りで何処かに向かっている様子が見て取れた。様子を伺おうと男は、少年の方へ行こうとするが、その前になのは傘をほおり駆け出していた。

「きみ、だいじょうぶ?」

「グ...ア」

なのはが近づき少年に尋ねると少年は顔を上げ、目を合わせる。男はその様子に違和感を覚えた。
少年には見たところ外傷はなく、せいぜい雨に打たれて全身ずぶ濡れになっているだけだ。 血色は悪いが体調不良や病気らしき兆候は見られない。 にも関わらず。なのはと目があった直後から息を荒くし、苦しむような様子が見えてきた。

「どうしたの?どこかけがでも」


なのはが心配して、少年に手を差し伸べようとして...

「...ッ!!触るナァッ!!」バチィン!!!
「いたっ!?」

盛大に、いっそ殴りつけるように払い除けた


◆◇◆◇◆


食人衝動がこらえ難くなるほど強くなり、人を襲う前に人里から離れようとしたその時に、雨で薄れてはいるが微かに、しかし確かに、人の匂いをアマゾンとしての本能が感じ取る。

拙い、不味い、嫌だ、イヤだ、いや
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