暁 〜小説投稿サイト〜
曇天に哭く修羅
第三部
旧敵との再会
[1/2]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話
黒鋼の屋敷に来客。

一人で留守場をしていた《黒鋼弥以覇(くろがねやいば)》と面を突き合わせて懐かしんでいた。


「72年振りか」

「ほんに久しいのう」


記録には残らない出来事。

歴史の闇に葬られた真実。

黒鋼弥以覇という【鬼神】

そして彼が出逢った漢達。


「親父殿……」


まだ10代の弥以覇は涙を流す。


「これで、良い。今日からは、お前が、黒鋼の当主になるのだ……」


弥以覇は自らの父を(たお)した。

これにより正式に黒鋼流を継承。

そして名と共に一族の夢も引き継いだ。


[黒鋼が世界最強だという証明]


その為に【邪神大戦】へ身を投じる。

人間も旧支配者(オールドワン)も関係ない。

どちらにも味方しなかった。

ただ一人の鬼として、只管(ひたすら)に強き者を求め全ての勢力に喧嘩を売り続けていく。


────────────────


「富も、名誉も、女も、全て不要。ただオレは、お前に勝ちたい……!」


[魅那風流/みなかぜりゅう]

【剣鬼】

江神全司(こうがみぜんじ)


────────────────


「20年だ。20年、待たされた。先代との約束を、今こそ果たしてもらうぞ黒鋼」


[双牙新天流/そうがしんてんりゅう]

【双戟】

備前雷光(びぜんらいこう)


────────────────


「私の生を締め括るには……やはり、君との闘争が相応しい」


旧支配者の眷族。

最強の二文字を欲しいままにした男。

《ガルド・ヴェラ・メギナ》


─────────────────


「天地崩穿流ッ! 二十六代目《九月院瞬崩》ッ! 参るッッ!!」

─────────────────


屋敷に来たのは流永/りゅうえい。

二十六代目の瞬崩。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


「弟子を取ったようじゃな流永」

「儂の夢を託した。黒鋼の打倒を」


目を鋭くした弥以覇に流永は語る。


「お主と戦って敗れた後に何人も弟子を取ったが中でも《佐々木青獅》という男はとびっきりの逸材じゃった」

(流永がそこまで言うか)

「とは言っても肉体的、技術的闘争の才は絶無。そん代わりに精神的な才能はこれまでの弟子で一。もうこれより上は無いと言える。【死視刎神/ししふんじん】にも耐え抜き儂の期待を超えよった」


流永は誇らしげ。

九月院(くげついん)に伝わっている死視刎神(ししふんじん)とは【魔晄/まこう】の循環を弄る術理。

肉体を強制的に成長させら
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ