第8章:拓かれる可能性
第251話「可能性の“愛”」
[5/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
悉く切り裂き、相殺する。
一撃一撃を全力で振るい、椿達が攻撃するための壁となる。
「ッッ……!」
そんな緋雪に、優輝は一瞬で肉薄する。
当然だ。“闇”を操っている所で、優輝が動けない訳ではないのだから。
しかし、緋雪は“闇”の対処のため咄嗟に動けない。
「させない!!」
そこへ、葵が突貫して割り込む。
レイピアを突き出し、優輝を守る“闇”に穴をあけようとする。
「ッ!!」
さらに奏も斬りかかる。
“極導神域”がなくなった今、この二人による攻撃を、優輝は受け流しきれない。
そのために“闇”を防御に使っていた。
「『とにかく“闇”を削ぎなさい!!少しでも“闇”を減らせるのなら、それだけ私や司が浄化する可能性が上がるわ!』」
椿の伝心と共に、神力の矢が優輝目掛けて襲い掛かる。
同時に司の魔力弾も襲い掛かり、僅かに“闇”を削る。
「ふっ!」
僅かに、ほんの僅かに隙を見出し、緋雪が斬撃を飛ばす。
「ちっ……!」
「ぐっ……!?」
「っ……!」
だが、その斬撃は同じく放った“闇”の斬撃に相殺された。
それだけでなく、“闇”を炸裂させた衝撃波で、葵と奏も吹き飛ばされる。
「なっ……!?」
体勢を立て直す暇もない。
攻撃が飛ぶのではなく、出現する。
そのため、避ける事も出来ずに葵と奏は再び吹き飛ばされた。
「(避けきれな―――)」
それは緋雪や椿、司も変わらない。
常に動き回れば直撃はしないが、長続きしない。
二人と同じように、吹き飛ばされる。
「っ……!」
辛うじて防御や転移封じの魔法は続けている。
だが、反撃に移る前に優輝は次の行動を起こしていた。
「(一か所に……!?まずい!)」
椿が気が付いた時には、もう遅かった。
何度も吹き飛ばされている内に、全員が一か所に集められていた。
さらに、“闇”でドーム状に囲まれ、その場から逃げられなくなる。
「ッ―――!」
そこへ、今までで一番規模の大きい“闇”の奔流が襲い掛かる。
咄嗟の反撃では、緋雪や司でも凌げない程の、一撃が。
「(しまっ……!?)」
「(間に合わない……!?)」
椿も、葵も、司も、奏も、その一瞬で悟る。
これは防げないと。敗北してしまう、と。
「ぁあああああああああああああああああっ!!!」
……しかし、緋雪だけは違った。
“闇”の奔流に対し立ち向かい、真正面から受け止める。
「ぁ、ぐっ、ぐぐぐ………!!」
大地に足をめり込ませ、全神経を集中させて耐える。
だが、少しでも気を抜けば……否、後少しでもすれば耐え
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ