第8章:拓かれる可能性
第251話「可能性の“愛”」
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程度だ。
だというのに、先程の“瞳”は大きすぎた。
「(“破壊の瞳”は、所謂存在の“急所”を見つけ、破壊する力。人間が心臓を潰されたら死んでしまうように、その状態を保つための“核”を破壊している。……その“瞳”が大きいと言う事は、つまり……)」
もう一度“瞳”を殴りつける。
だが、やはり一部の“闇”が爆ぜるだけだ。
「やっぱり、あの“闇”全てが“瞳”になっているんだ……!」
「何ですって!?」
優輝に絡みつく“闇”、それら全てが“核”となっているのだ。
故に、“瞳”が大きく、殴りつけた所で破壊しきれない。
「(なるほど……優奈が“戻す術はない”って言ったのは、こういう訳ね。複雑に絡みついた“闇”は、緋雪の“破壊の瞳”ですら祓いきれない。見た所、一部分を破壊した所ですぐに元に戻ってしまう。一撃で消し飛ばすにしても、物理的な力だと不可能。司や私が浄化した所で、焼け石に水って事ね……)」
問答無用で破壊出来る“破壊の瞳”だからこそ、一部分とはいえ破壊出来たのだ。
椿や司が出来る浄化の方が相性はいいが、それでは力が足りない。
だからこそ、優奈は洗脳を解く事は出来ないと言っていたのだ。
「っ……来るわ!」
奏が声を上げる。
それと同時に、“闇”の放出が無差別ではなくなった。
「転移は出来ないから、気を付けて!」
司の転移封じの魔法は続いている。
だが、それは敵味方関係ない代物だ。
そのため、緋雪達も転移は出来ない。
「ッ……!」
真っ先に狙われたのは、緋雪だった。
放たれた“闇”の奔流を、拳を横から当てつつ、回避する。
先程までの限界を超えた状態ならば、ほとんどダメージは抑えられただろう。
しかし、力が落ちている今だと、弾かれるように吹き飛ばされた。
「くっ……!」
体勢を崩した緋雪へ、さらに追撃の“闇”が迫る。
やはりと言うべきか、先程一対一でやり合った事で警戒されていた。
―――“Delay”
「ッッ!」
「ありがとう、奏ちゃん!」
避けきれないと悟る緋雪だったが、奏が移動魔法を使って助け出す。
「葵!」
「分かってる!」
緋雪を狙っている事に椿も気づき、すぐさま葵に指示を出す。
葵は優輝の後方に回り込みつつ、一気に肉薄する。
「っづ……!?」
肉薄は容易に出来たが、“バチィッ”と弾かれる。
弾く際のその威力に、レイピアが弾き飛ばされた。
「威力はあるけど、大雑把ね」
―――“弓奥義・朱雀落-真髄-”
直後、レイピアを弾いた“闇”の壁を矢が穿つ。
貫通はしなかったものの、窪みが出来た。
「そこ
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