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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Saga6-E遭遇〜T.C. 2〜
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ないけど意識は失ってる』
「・・・そう。状況を教えて、アイリ。T.C.が一筋縄でいかないとは思っていたけど、まさかイリス達をも倒せる連中なんて・・・」
『あ、いや、実はT.C.が相手じゃなくて・・・』
アイリから語られたのは、ダーハで偶然遭遇したフッケバイン一家との戦闘。魔術を使うことで魔導殺しを完封して、全滅までもう少しというところでダーハの実質的な支配者の古竜イツァムナ首長からの流れ弾。
「流れ弾・・・?」
『うん。イツァムナ首長の居る首長公邸に現れたT.C.を追い払うために放ったドラゴンブレスが、運悪くルシル達の至近に着弾したの。それでルシル達は意識を失って、フッケバイン一家には逃げられて・・・』
「T.C.と首長の安否、竜玉は守られたか奪われたか、教えてもらえる?」
『T.C.は逃走。首長は無事だけど、竜玉は盗られちゃった・・・』
頭痛がしてきた。局がイツァムナ首長にお願いしてどうにか護衛戦力として招かれたのに、任務に就く前に寄り道の如くフッケバイン一家と戦闘。そして、その間にイツァムナ首長は“T.C.”と交戦して追い払うことは出来たけど竜玉は奪われた。
「上層部からめちゃくちゃ文句を言われそう」
『だ、だよね・・・? もう! やっぱりアイリも一緒に行っていれば良かったんだよ!』
この不手際は始末書で済めばいいけど・・・。とにかく、ダーハでの任務は失敗したってことになるから、今すぐにでもこっちに“T.C.”が出現するかもしれない。
「報告ありがとう、アイリ。私たちはさらに警戒を強めて、迎え撃つ準備をしておく」
『うん。ルミナ達も気を付けて』
通信を切って、携帯端末をポケットの中にしまい込もうとしたとき、「あの、お客様」と声を掛けられた。まさか、と思いつつも振り返れば、女性職員が1人と男性警備員が2人。私は努めて冷静に「なんでしょうか?」と愛想笑いで応えた。
「申し訳ございません。お客様とお連れのお2人は、当館の開館時間より4時間と滞在なさっております。しかも何かを探っているかのように館内を歩き回っておいでですので、失礼かと存じますがお声掛けさせていただきました」
「ですわよね〜。私も、自分たちを客観的に見れば怪しいな〜と思いますもの。おほほ〜」
「「「・・・」」」
沈黙が辛い。私は大きく溜息を吐いて、どう言い訳をしようかと考えていたら『ルミナ、来た!』とセレスから思念通話が入って、さらにジリリリ!とけたたましく警報ベルが鳴り響いた。職員と警備員の3人はベルで一瞬身を竦ませて、私から意識を完全に逸らした。視線も別の方に向いたから、「ごめんなさい!」と謝って、地下へ降りるための階段がある方へとダッシュ。
「おきゃ――捕まえて! 警備室! カメ
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