第二章
[8]前話
最初は何をされたかわからなかったがすぐにだった。
皿の方に行ってご飯を食べて水を飲みはじめた、それはガツガツとしていてかなり餓えていたことがわかるものだった。
タロは必死に食べている猫を優しい目で見ている、そのタロと猫を見て夫婦は二人で話した。
「タロが助けたんだな」
「そうよね」
「自分のご飯と水をあげて」
「そうしたのね」
「やっぱりいい子だな」
タロはとだ、夫は妻に話した。
「本当に」
「そうね、じゃあ私達もね」
「タロがあの子助けたからな」
「私達もそうしましょう」
こう話してだった。
夫婦でタロのところに行った、すると猫はまだご飯を食べていたが。
その猫を保護して病院に連れて行った、幸い病気等はなくそのまま家で飼えた。そうして家の中でだった。
雌だったので鈴の付いた赤い首輪を付けてご飯も水もあげた、勿論トイレの用意もした。そうするとだった。
猫は二人にすぐに懐いた、二人はその猫にハナと名付けた。ハナはよく食べたので。
家に来た時はガリガリに痩せていたがすぐに丸々と太った、そうしてタロとも忽ちのうちに仲良くなり。
タロを家の中に入れた時はタロの方に自分から駆け寄って身体を摺り寄せる。そのうえで親し気に鳴いた。
「ニャア〜〜」
「ワンッ」
タロもそのハナに明るい声で応えてだった、そうして。
山本はその二匹を見て妻に話した。
「いつも仲がいいな」
「ええ、本当にね」
妻もこう夫に返した。
「そうよね」
「やっぱりタロはいい子だな」
「あまり柴犬に見えなくても」
「それでもな」
「こんないい子はいないな」
「ええ、ハナも助けたし」
このことを夫に話した。
「本当にいい子ね」
「そうだな、じゃあ俺達もな」
「そのタロに応えてね」
「タロにもハナにも優しくしないと駄目だな」
「そうよね、これからもね」
ずっととだ、こう話してだった。
二人はいつも仲がいい二匹に笑顔で接した、そうして大事にした。二匹はその二人にも明るい声を向けて身体を摺り寄せた。優しさのその中で。
優しい柴犬 完
2020・6・24
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