第百三十八話 最強の勢力その十一
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「毎食デザートも欠かせません」
「甘党かいな」
「ワインも」
酒の話もした。
「甘いものがです」
「好きやねんな」
「はい」
そうだというのだ。
「それをごくごくと飲んで」
「楽しんでるんやな」
「その様にしています」
「それで寝て高いびきを立てるのは困るっす」
セリューは二枚目のステーキを食べつつ言ってきた。
「どうにも」
「いびきかくんか、ケルベロスって」
ミニーもはじめて知ることだった。
「そやったんか」
「かくっすよ」
セリューはミニーに答えた。
「三つの犬の頭で」
「そやねんな」
「いい音楽を聴いてもっす」
その場合もというのだ。
「寝るっす」
「それやったらな」
ルイーザはセリューのその話を聞いて彼女に言った。
「いざって時にな」
「動けなくされるっすね」
「そうならへんか」
「いや、それはっす」
「それは?」
「すぐに起きるっすから」
例え眠ってもというのだ。
「戦闘中でも」
「そうなんか」
「何しろ頭は三つだけではないっす」
ケルベロスのそれはというのだ。
「鬣みたいに蛇が生えているっすね」
「尻尾も蛇やしな」
首回りの蛇達は蝮位の大きさだが尻尾のそれは首回りのもの達よりもずっと大きい。一メートルはあろうか。
「そっちがか」
「そうっす、全部の蛇は寝ないっすよ」
「絶対に一つは起きてるか」
「それでっす」
例え眠りに入ってもというのだ。
「警戒していてっす」
「危ない時はか」
「その頭の脳が指示を出すっす」
そうするというのだ。
「だからっす」
「ケルベロスは眠らさせられてもか」
「危機にはすぐに起きるっす」
「そやねんな」
「だから大丈夫っすよ」
「そう聞くと流石は地獄の番犬か」
ミニーはセリューの話を聞いて言った。
「ほんまに」
「その誇りもあります」
ケルベロス自身も言ってきた。
「私はこの世界ではセリュー様の神具ですし」
「その誇りもあるか」
「そうです、そしてセリュー様と共に」
まさにというのだ。
「戦っていきます」
「この世界を救う為に」
「そうしていきます」
「宜しく頼むっすよ、この世界の脅威が何かはまだわからないっすが」
それでもとだ、セリューも話した。
「一緒に戦っていくっす」
「そうしましょう、ケルベロスは悪ではないです」
このことはだ、ケルベロスは自分で話した。
「地獄から出ようとする悪人を追い払うのですから」
「ハーデスにしても」
ギリシア神話でケルベロスの主である冥界の神だ、ゼウスの兄弟でもあり神話の中での地位はかなり高い。
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