第三章
[8]前話
「本当にね」
「悪い人だったのね」
「犯罪はしていないみたいだけれど」
「浮気者で浪費家でね」
「貢がせてよね」
「しかもDV癖があるから」
「そんな男と付き合ったらね」
それこそというのだ。
「とんでもないことになっていたわ」
「そうよね」
「だからその時縁が切れてよかったわ」
「心からそう思ってるわ」
「ミケちゃんはあんた守ったのよ」
友人はこれまたはっきりと言った。
「悪い男からね」
「そうよね」
「だからね」
それでとだ、友人は円にさらに言った。
「ミケちゃんに感謝しなさいよ」
「心からそう思ってるわ」
既にとだ、円は友人に返した。
「それで前以上に可愛がってるつもりよ」
「善き哉善き哉よ」
「そういうことよね」
「まあこれからも悪い男に会うかも知れないけれど」
「気をつけることね」
「まず生きものが一目で警戒するとかね」
つまり古森の様な男はというのだ。
「幾ら第一印象とか人当たりがよくてもよ」
「付き合わないことね」
「人は見た目じゃないから」
友人はこのことは強調して言った。
「そして中々わからないけれど」
「生きものはわかるから」
「そうしたところ注意してね」
「わかったわ」
「じゃあミケちゃん可愛がってね」
友人はこう言ってスマホを切った、そのやり取りが終わると。
円は丁度部屋の中で毛づくろいをしているミケに笑顔で声をかけた。
「ミケ、ご飯あげるわね」
「ニャンニャン」
ミケは円のその言葉に凄く嬉しそうに応えた、そうして彼女が皿に入れたご飯とミルクをとても美味しそうに食べて飲んだ、それから彼女と遊んだ。それは古森に襲い掛かった時とは全く違うとても人懐っこい普段のミケの姿だった。
猫が見た正体 完
2020・6・23
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