六十三匹目
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「ぬいちゃん泳げるの?」
「泳げるよ」
足を平泳ぎのように動かして、立ち泳ぎで体を浮かせる。
「メリーちゃんは?」
メリーちゃんも犬かきみたいにして浮いている。
メリーちゃんは蹄だからバタ足とかは不利かもしれない。
「泳ぐくらい、できる。泳いだこと、ないけど」
天才か?
くーちゃん達の方へ泳いでいく。
くーちゃんは普通に泳げてるし、シャクティは翼も使って上手いこと泳いでいる。
翼人には翼人の泳ぎ方があるんだろう。
僕はといえば尻尾が重たい。
僕の半身よりも大きい尻尾には相応の毛があって、それが水を吸ってるのか動きにくい。
風呂とかでは気にした事もなかったけど、回りが全部水で地に足がついてないといっそう気が向く。
「…………シラヌイ。貴方水の中なら視線同じなのね」
「それは暗に僕がちっこいって言ってる?」
「気にするな狐君。私からすれば三人とも小さいぞ」
最近くーちゃんとメリーちゃんに身長を離されつつある。
まぁ、シャクティは遺伝的に大きいのは仕方ないから気にしないけど…。
「ねぇシラヌイ。尻尾触っていい?」
「いいけどもふもふしてないよ?」
後ろを向いてくーちゃんに尻尾を差し出す。
「…………これはこれで…新感覚」
もふもふしていないがくーちゃんはそれでもいいらしい。
「うゅう……」
この六年間泳いだことはなかったが、体……いや魂は泳ぎ方を覚えていたようだ。
クロール、背泳ぎ、平泳ぎ、バタフライといった四泳法は完璧に覚えていたので三人に教えたりした。
でも体が凄く重くて疲れる。
この体で泳いだことが無いからだろうか?
普段使わない筋肉を使っているから?
「……ヌイ! …………シラ………シラヌイ!」
「ぇ?」
遠くからくーちゃんの声がする。
遠く?
なんで? 目の前に居るのに?
視界が霞む。
気付けば四肢から寒気が上がってくる。
身体強化がいつの間にか解けている?
なぜ?
あれ? 魔力が底をついて………る…?
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