六十三匹目
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何? 離れてほしいなぁって」
成長期前だけど当たってる物は当たってるのだ。
「あててんのよ」
「……どこで覚えたの?」
「お母さんが持ってた小説」
あの人マジでさぁ……。
くーちゃんに案内してもらい、プールへ。
深さは約1.5メートル直径20メートルほどの円形。
手前に階段状になっている部分があり、端には妖精用と思われる階段もある。
屋外プールだけど、流石は王族の所有物。
コケなんて生えてないし、水も綺麗だ。
ヴァンニクが専用階段でぱちゃぱちゃやってるので恐らく彼女等がこのプールの主なのだろう。
ヴァンニクってたしか風呂の妖精だったと思うんだが……水場ならいいのだろうか…それとも夏だから…?
でもシュリッセル家のヴァンニクは今も居るし…。
プールの水に触れて解析魔法を使うと、清潔な水だけどかなり冷たい。
たぶん城の風呂と同じく地下水だろう。
「準備運動忘れないようにね」
三人に伝えながら、屈伸運動を始める。
「ぬいちゃん何してるの?」
「準備運動ってしないの? こんな深いプールで準備運動しないのは危ないよ?」
三人が首を傾げるので取り敢えず真似させる。
「こうやって体の筋を伸ばしておかないと」
しかし考えてみれば今までこの四人で運動することはあったが準備運動をした記憶は無い。
それでも怪我をしたことはない。
まぁ、僕ら若いし。
……………それはそうと、水着の女の子がダイナミックに動いてるってエッチじゃない?
やっぱり面倒くさがってスクール水着にしたのが良くなかったかな…。
ワンピースタイプとか他にも作れなくもなかったけど…。
いやでも時間無かったし…。
一通りストレッチをしてから、プールに足を踏み入れる。
階段に一歩足を入れると地下水の冷たさが上ってくる。
やっぱり冷たい…こまめに休憩を取った方が良さそうだ。
三人の唇の色には注意しておこう。
二歩目を踏み出す寸前。
「いくわよー?」
僕の横を通り抜けて、くーちゃんが走ってプールに飛び込んだ。
数メートル先でザッパァーン!!! と水飛沫が上がる。
更に羽撃きの音がしたかと思えばシャクティが飛び込んでいた。
水面から顔を出した二人が悲鳴を上げて身を竦める。
「……さむそ」
いつの間にか隣に居たメリーちゃんの呟きが状況を適格に示していた。
ゆっくり、一歩ずつ階段を下りていく。
魔力を全身で活性化させるとある程度冷たさが緩和された。
くーちゃん達も既に身を竦めていない所を見るにやっているのだろう。
肩程まで水に浸かった辺りで床を蹴る。
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