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戦姫絶唱シンフォギア〜響き交わる伴装者〜
第39節「撃槍」
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と、翼の傍には破壊された首輪の破片が転がっている。

「あなたはもう逃げられない。さあ、投降してもらいますよ」

背後からの声に振り向くと、そちらにはRN式の制限時間を迎え、一部破損したプロテクターを纏った純が立っている。
前門のクリス、後門の純だ。ウェルは逃げ道を塞がれた。

「は、うわ、ふわ……ふぎ……ッ! ひ、ひいい……ッ!」

ゆっくりと迫ってくる二人に、ウェルは怯えて腰を抜かすと、慌ててソロモンの杖をかざしてノイズを召喚する。
ウェルを挟み撃ちにしていた二人を更に取り囲むように、大量のノイズが出現した。

「いまさらノイズ──く……ッ!?」

アームドギアを構えようとするクリス。
だがその瞬間、ギアのバックファイアで全身に痛みが走り、膝を付く。

見ると地面を転がるカプセルからは、例の赤いガスが散布されていた。

「Anti_LiNKERは、忘れた頃にやってくる……ふふふふふ……ッ!」
「いつのまに……ッ!」
「なら……ブッ飛べ、アーマーパージだッ!」

ギアがまともに使えないこの状況を打破する最善の一手。
クリスはギアを強制解除し、ギアを構成するエネルギーを散弾として広域射出した。

「ひい……ッ!?」

連続使用できない、博打性の高い技。だが、身体にダメージを与えるギアの解除とノイズの殲滅が可能という点では、リスクよりメリットの方が大きい。
純が地面に伏せた直後、弾け飛んだギアはノイズを瞬間殲滅せしめる威力を発揮し、見事に包囲網を崩してみせた。



鍾乳石の影に隠れてやり過ごしたウェルは、そこからおそるおそる顔を出す。
土煙が充満し、クリスや純の姿は見えない。辺りを探すウェル博士。

そこへ、クリスと純が同時に飛び出した。

「ちぇいッ!」
「うわッ!?」
「いつぞやのお返しだッ!」
「がはぁッ!?」

ギアが弾けた結果、再構成までの間だが裸体を晒すこととなってしまったクリスが、胸元を腕で隠しながらタックルし、純がウェルの顔面を思いっきり殴りつけた。

その拳に乗った感情が、岩国基地での借りやネフィリムの件、スカイタワーの件、奏の件、そう言ったウェルがこれまで積み重ねてきた諸々への怒り。
そして何より……クリスの裸体を見たという一番の大罪でブーストされた怒りの鉄拳だったことは、語るに及ばない。

だが、ウェルの手から弾かれたソロモンの杖は、地面を転がり手を伸ばしても届かない位置にまで行ってしまった。

「しまったッ!?」
「杖を──ッ!?」
「ひいいいいぃぃぃぃッ!」

慌てて純が取りに行こうとするが、そこに……倒し損ねていたノイズが立ち塞がる。

残っていたノイズは20以上、しかもコントロールを失っており、半透明な身体を見ての通り
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