第五章
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「赤い首輪の子がジュン、青の首輪の子がチョーサク、黄色い首輪の子がショージだよ」
「そうなんですね」
「漫才師のトリオから名前を取ったんだよ」
教頭先生は大地に笑顔で答えた。
「いい名前だよね」
「はい、ただ青の首輪の子って女の子ですよね」
「わかるんだ」
「だって首輪に鈴付いてますから」
それでわかるというのだ。
「ですから」
「そうだよ、チョーサクは女の子だよ」
「男の子の名前ですよね」
「そのトリオの名前だからね」
それでというのだ。
「名付けたんだ」
「そうですか」
「いい子達だよ」
教頭先生は笑顔でこうも言った。
「本当にね」
「早速仲良くしてますね」
千鶴は五匹の猫達を見ていた、見れば。
ステテコ、縞模様のトランクスが透けているそれにシャツそして腹巻姿の教頭先生の前で猫達はというと。
ユリカを中心に集まっていてだった、ユリカが四匹をかわりばんこに舐めたり触ったりして可愛がっていた。
「ニャ〜〜ン」
「ナア」
「ニャンニャン」
「ミャ〜〜」
「ア〜〜オ」
四匹の子猫達はそのユリカに甘えている、千鶴はその様子を見て言った。
「本当に猫ちゃんも親子って仲いいんですね」
「家族だからな」
大地も言った。
「そうなんだな」
「そうみたいね」
「そう、猫も家族は仲がいいんだよ」
教頭先生もここで二人に話した。
「だから僕達人間もね」
「家族は仲良くしないと駄目ですね」
「喧嘩したら駄目ですね」
「そして誰ともね」
家族だけでなくというのだ。
「仲良くしないとね」
「駄目ですよね」
「私達人間も」
「そうだよ、仲がいいことはこの通りとてもいいことだからね」
教頭先生は猫達を見つつ二人に話した。
「そうしていく様に努力しようね」
「わかりました」
「私達もそうしていきます」
二人は教頭先生に答えた、猫達はその二人の前でとても仲良くしていた。
二人はこの時から時々トムとユリカを教頭先生の家に連れて行って先生が飼っているジュン、チョーサク、ショージと会わせた。猫の家族はいつも仲良くしていた。そして二人も教頭先生もそんな猫達を見て優しい笑顔になって仲がいいことがどれだけいいことであるのかを心から思うのだった。
猫の母子 完
2020・6・22
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