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レーヴァティン
第百五十九話 美酒その五

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「見たいものを見る」
「そうするな」
「そして国の実情を知る」
「そしてそこからだな」
「また治める」
 そうしていくというのだ。
「これからな」
「成程な、ではな」
「その様にしていくということでな」
「わかった、では我もだ」
「そうしていくか」
「変装もだ」
 これもとだ、幸正は英雄に述べた。
「してな」
「そしてだな」
「国を見ていく」
「化けるならであります」
 峰夫は笑って話した。
「幾らでもあるであります」
「旅芸人なり僧侶なりだな」
「あとは虚無僧なりと」
「確かに色々だな」
「山伏もであります」
 峰夫は自分の立場からも話した。
「それもであります」
「いい変装だな」
「見破られないものであります」
「そうだな、その方が色々と見られる」
「それでは」
「その様にしていく」
 英雄もこう言った。
「見ていく時はな」
「わし等もその様に」
「俺は虚無僧にでもなるか」
 英雄は自分の変装を話した。
「それにするか」
「山伏ではなく」
「山伏に化けるのもいいが」
 それでもというのだ。
「一度なってみたいと思っていた」
「だからでありますか」
「それでだ」
 それ故にというのだ。
「俺はだ」
「虚無僧に化けるでありますか」
「あれは顔も見えないしな」
 このこともあってというのだ。
「それでだ」
「虚無僧になって」
「見て回ろう、しかし虚無僧はこの浮島には多いな」
「そのうちの幾人かは」
 峰夫は目を少し鋭くさせて言った。
「やはり」
「そうだな」
「はい、他の勢力の隠密であります」
「やはりな」
「これは山伏や旅芸人もであります」
 今話に出した者達もというのだ。
「そして僧侶も」
「全員がそうではないがな」
「隠密が化けているであります」
「やはりそうだな」
「隠密は化けるものです」
 峰夫はこの事実を話した。
「それで誰にも見破られぬ様にして」
「他国を見て回るな」
「そうしているものです」
「それを許さない為に関所を設けるか」
「それでもです」
 相手にしてもというのだ。
「そこを」
「越えてだな」
「そしてこちらを調べてくるであります」
 その様にしてくるというのだ、峰夫は忍の者ではないが山伏が化けられる対象の一つであることから知っていて話した。
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