暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第37話:真っ直ぐな意志
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をしていた2人だったが、白メイジから殺気を向けられて弾かれるようにそちらを見る。

 ライドスクレイパーを片手に、怒り心頭と言った様子で迫る白メイジ。流石に言い争いを止めて白メイジを迎撃しようとする2人だったが、それよりも早くに透が動いた。

「ッ!?」

 白メイジの攻撃が外れた瞬間の爆発で、透の意識がそちらに逸れていた。それを好機と見て3人の琥珀メイジが飛び掛かる。
 が、透はそれに即座に反応。一糸乱れぬ動きで襲い掛かってきた3人の琥珀メイジを、透はカリヴァイオリンで素早く一蹴。

 自身への脅威を即行で取り除いた彼は、白メイジの方を向くと両手に持っていたカリヴァイオリンを白メイジに向けて投擲した。

 弧を描き白メイジに迫る2本の剣。投擲すると同時に透は駆け出しながら右手の指輪を交換してハンドオーサーに翳した。

〈イエス! キックストライク! アンダスタンドゥ?〉
「っ!?」

 投擲されたカリヴァイオリンと聞こえてくる魔法の詠唱に、自身に迫る脅威に気付いた白メイジは響とクリスへの攻撃を止めて透の迎撃に意識を向けた。

「ぐ、くそっ!?」

 時間差で飛んできたカリヴァイオリンをライドスクレイパーで弾き、その隙を突くように駆けてきた透に薙ぎ払いを放つ。
 しかし透はそれを前転で回避するとその勢いを利用し、立ち上がりながら魔力を集束させた右足を白メイジの無防備な腹に叩き込んだ。

「がぁぁぁっ?!」

 透の必殺蹴りを喰らった白メイジは、大きく蹴り飛ばされ落下した先で変身を解除された。落下した先で辛うじて意識がある時に何やら悪態を吐いていたようだが、それが誰かの耳に入る事はなく彼はそのまま意識を手放した。

 クリスに迫る危機を排除出来たからか、透は一息吐くと立ち上がった。それと同時に白メイジに弾かれて明後日の方向へ飛んでいたカリヴァイオリン2本が再び弧を描いて戻ってきたのを、彼はノールックで2つともキャッチしてみせた。

 気付けば周囲から戦闘音は聞こえなくなっている。ジェネシスのメイジは全て倒れ、颯人と奏の活躍によりノイズも殲滅されたらしい。
 見れば、ノイズを倒し終えた2人が悠々と3人の下へ向かってきている。決して殺気立っている訳ではないが、クリスと透は油断なく2人を見据えている。

 有り体に言えば一触即発の雰囲気。それを感じ取り、響は慌てて両者の間に割って入った。

「ま、待ってください奏さん、颯人さん!? クリスちゃん達も!?」

 必死に戦いを止めようとする響の様子に、颯人と奏は顔を見合わせて肩を竦めた。と言うのも、この時点で2人には戦意がないからだ。先程未来への安全を考慮して無理に戦闘を行わなかった、クリスの様子からまずは話し合いをする余地があると2人も感じ取ったの
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