暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第37話:真っ直ぐな意志
[1/6]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話
 突如姿を現した透は狙ってか偶然か、クリスだけでなく未来までをも解放すると追跡してきた琥珀メイジ3人との戦闘を再開した。

「最優先攻撃目標、攻撃開始」
「了解」

 感情を感じさせない言葉を発しながら襲い掛かってくるメイジ達を、透は2本の剣だけで巧みに相手取る。

 最も近くに居たメイジのライドスクレイパーを右の剣で弾くと、そいつを無視してスクラッチネイルで攻撃してくるメイジを回し蹴りで蹴り飛ばし、それを隙と見て魔法の矢を放ってくるメイジに左の剣を投げつけた。

「へぇ……」

 特に危な気も無く、3人のメイジを相手に一歩も退かないどころか完全に手玉に取っている透。その姿に颯人は舌を巻いた。
 こうして見ていて分かった。彼の強みはその軽快なフットワークだ。素早く動き回りながら、最も脅威度の高い相手を的確に攻撃し、しかも決して深追いすることなく即座に次の相手に狙いを変える。判断力、反応速度。危機察知能力、全てが高水準で纏まっていなくては成し得ない事だ。

 そんな事を考えながら、颯人は襲い来るノイズを片っ端から撃ち抜いていた。白メイジに拘束された時にクリスがソロモンの杖を落としたからか、残ったノイズが無作為に動き颯人もメイジも関係なく襲い掛かってきたのだ。
 このままでは公園から出て一般人にまで襲い掛かる危険すらあった。それ故に、颯人はメイジを後回しにしてノイズへの対処を行っていたのである。

 その時、彼の目に未だ拘束されているクリスの姿が映った。魔法を掛けた白メイジが健在だからか、未だ彼女を拘束している魔法の鎖は健在だ。
 まぁここで派手に動かれて更に状況が面倒臭くなられては堪ったものではないし、今すぐ助ける義理はないだろうという事で颯人は彼女を放置していた。

 それが良くなかった。クリスは苦労しながらも膝を立てて上半身を起き上がらせると、以前颯人に拘束された時と同じ方法で抜け出したのだ。

「あたしを、無視すんな! アーマーパージ!!」
「ッ!? やっべ!?」

 気付いた時には、クリスの体から弾け飛んだネフシュタンの鎧の破片が炸裂した手榴弾の様に颯人に飛んできていた。

「ぬおっ!?」
「うわぁっ!?」
「ぐわっ?!」

 高速で飛んできた鎧の破片を颯人と奏はギリギリのところで回避する。見ると響も近くの未来に覆い被さるように伏せていた。
 ついでに言うと、白メイジも回避に成功していたようだ。癪だが流石は幹部候補、と言ったところか。結局飛び散った鎧の破片の直撃を喰らったのは、奏の相手をしていた白メイジだけだったらしい。

 そして────

「Killter Ichaival tron」

 アーマーパージで発生した土煙に紛れてシンフォギアを纏ったクリスは、透と戦闘を繰り広げ
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ