ジパング
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<ジパング>
異国情緒溢れる国ジパング。
人々皆が奇妙な恰好をしており、アルル達を『ガイジン』と呼ぶ…
「変な国ね…『ガイジン』って何よ!?」
自分を指差され叫ばれる言葉に不快感を露わにするアルル。
「ガイジンとは、異国の人という意味だよ」
船でティミーとの親密な時間を邪魔されて以来、不機嫌なアルルにリュカは優しく諭す様に言葉の意味を教える。
「不愉快な人々ね………さっさと情報を集めオーブを手に入れて、こんな国からは出ましょうよ!」
そう言い、ズンズン進んで行くアルルを見てリュカは…
「勝手だなぁ〜」
アルル達は住民から話を聞き、今この国で起こっている厄介事を聞き出した。
曰く、「ヤマタノオロチは数年前に現れて、この国を破壊し始めた」
曰く、「それまでお飾りだった女王ヒミコが突然神の声を聞ける様になった」
曰く、「女王ヒミコが、神の啓示を聞き少女を生贄に出す事で、ヤマタノオロチの活動を、押さえる事が出来た」
曰く、「最初の頃は数ヶ月に1度、生贄を捧げればヤマタノオロチは暴れなかったのだが、最近では毎週生贄を捧げる様になった」
曰く、「僕の大好きなヤヨイ姉ちゃんが、昨日生贄になっちゃった!」
等々…
「事態は深刻だな…」
リュカが重い口調で周囲を見渡す。
「そうですね…皆、生きる気力を失い掛けてます…」
アルルも見渡し、悲しそうに呟く。
「良い女が全然いねーじゃん!全部生贄にしちゃうから、ババーとガキしか残ってない!つまんねーよ、この国!ほら見ろよウルフ…昔は美女でしたって人か、これから美女ですよって人しか居ないよ!…あぁ、お前はロリコンだからお宝満載か!」
「って、ロリコンじゃねーよ!!」
凄い勢いで突っ込むウルフ。
「ヤメロ!リュカさんもウルフも、いい加減にシロ!巫山戯てる場合じゃ無いでしょ!この国が滅びてしまうかもしれない一大事なんですよ!」
「ご、ごめんなさい…」
被害者であるはずのウルフが謝ってしまうほど、アルルの気迫は凄かった!
「だから僕も事態は深刻だと思ってるよぉ」
「アナタの深刻さはニュアンスが違ってます!」
ウルフとは反対に、全く悪びれないリュカ。
そんなリュカを睨み続けるアルル。
「…あ!美女の匂いがする!!」
真剣なアルル達をバカにするかの様に、突飛な事を言い出すリュカ。
「はぁ…何言ってるんですか…さっき父さんが言ったんですよ、美女が居ないって…」
「こっちだ!」
苛つくティミーを無視して走り出すリュカ…
先程まで柔和な表情だったビアンカの表情が、険しくなったのを見て焦るティミー。
仕方なく皆でリュカの後について行く…
暫く進むと小さな小屋の前に辿り着いた。
「何だ、アンタ等!?」
小屋の前には番をするかの様
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