ジパング
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に男が一人立っている…
「この中に居る」
「此処は漬け物を保存している地下保存庫だ!誰も居ない!!あっちへ行けよ!」
リュカは小屋を指差し、中へ入ろうとする…
しかし自主的に番をしていると思われる男が立ち塞がる様に邪魔をした。
「うるさい、退け!」
だがリュカの力に簡単に弾かれ、リュカ達に進入を許してしまう。
小屋にはいると直ぐに階段になっており、ヒンヤリとした空気が漂う地下へと続いている。
「うっ!何この匂い!?腐ってるんじゃないの!?」
其処は幾つもの大きな瓶が並んでおり、糠漬け特有の匂いが漂っている。
慣れないアルル達には悪臭でしかない。
「此処に居る!美人の匂いがする!」
「父さん………酷い悪臭しかしないじゃないですか……鼻と頭がおかしくなったんですか?」
どさくさに紛れてとんでもない事を言う息子を無視して、一つ一つの瓶を開けるリュカ。
マリーなどはリュカが開けた瓶の中身を摘み食いしている。
「う〜ん…美味しいですわ!!このキュウリ最高ですぅ」
「こらマリー!そんな物食べちゃいけません!お腹壊しますよ!」
「大丈夫ですよお兄様。別に腐ってる訳じゃありませんから」
キュウリをボリボリ食べながら、兄の警告を無視するマリー…
「お、居たよ!!」
するとリュカがお目当ての美女を見つけた様で、瓶の蓋を片手に大はしゃぎする。
リュカ以外の皆が瓶の中を覗くと、其処には確かに美女が居る。
しかし中の美女は変なのだ!
瓶の中に居る事自体変なのだが、服装が奇妙だ!
アルルやティミーなどから、ジパング人の一般的な服装を見ると、それも奇妙なのだが、この美女はそれとは違うベクトルで奇妙なのだ…
一言で言えば白装束…
そう、まるでこれから生贄にされるかの様に…
「あ、あの…どうか見逃して下さい!……せめて一晩……あと一晩、故郷との別れの時間を私にください…」
美女はアルル達を見つめ、泣きながら懇願する。
「あの…何のこ「貴様ら!!見つけてしまったな!!」
アルルが質問をしようとしたのだが、先程の自主的警備員が階段から現れ、ヒステリックに大声を上げた!
「えっと……何?どうしたの??」
一人、瓶の中で泣きじゃくる女…
一人、出入り口を塞ぎ殺気立つ男…
間に挟まれたアルル達は、途方に暮れる。
そして3本目のキュウリを完食するマリー。
「見られたからには、生きて返すわけにはいかない!ヤヨイは俺が守る!生贄になどさせはしない!」
男は腰から刀を抜き構える。
「へー、君ヤヨイちゃんって言うんだ!可愛い名前だねぇ!」
「あ!は、はい………」
「あらお父様!私の名前だって可愛いですわよ!」
「うん。可愛いよマリーも…でも一番可愛い名前はビアンカだけどね!」
「まぁ、ラブラブです
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