第14話 ようこそ!ショッカー世界へ!!
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分子には全く見分けがつかないでしょうけどね」
「はぁ、やっぱりあんたらは噂通りの優秀な人間らしい」
増沢は1冊の手帳を懐から取り出して読み上げた。
「千堂印一、優秀な成績で士官学校卒業後、陸軍曹長に任官。勤務成績の方も優秀で改造手術をこの時に受ける。
不穏分子の掃討作戦で名を挙げるとその優秀さを買われ、少尉に任官されると共に党からガイアメモリとアストロスイッチも授かる。
そのままでも将来は軍の上級幹部に昇格確定なのに銀座動乱での功績が讃えられ、ゾル大佐から賞状と2つの勲章を賜われ、異例の2階級特進して大尉になる……すごい経歴じゃないか」
「よくもまぁ、そこまで調べたもんだ」
「同期からの評判は『一族の七光り』、『嫉妬の対象』……こりゃまた……フフッ…酷い言われようだな」
皮肉混じりに増沢が笑うと千堂は不愉快というような顔をした。
増沢は次に加頭の経歴を読み上げた。
「加頭秀明、財団X傘下のミュージアムの御曹司として何不自由なく育つ。
祖父はあの園咲琉兵衛。20歳の時に財団Xに入社し、キャリア組の筆頭と言われ、将来はミュージアムの跡取りになるはずが……」
増沢はそこで経歴を読むのをやめた。続きには『財団Xから防衛軍に転身』と書いてあったかだ。
増沢は不思議に思った。
ミュージアムの御曹司なのだから財団では相当な地位にいたはずだ。何故、それを捨ててわざわざ軍に入ったのかと。
増沢にはどうしても加頭が輝かしい出世の道を自ら捨てたことが理解できなかった。
「なぁ、なんで好き好んで軍なんかに入ったんだ?あのままミュージアムの後取りになればよかったのに」
加頭はバツが悪そうに少しだけ困った顔で答えた。
「どうも自分には財団特有の堅苦しい雰囲気が合わなくて……それをお祖父様に相談したら―」
「軍に入れられた……と?」
「"入れられた"んじゃない、"入れてくれた"んです。お祖父様もあそこで僕が窮屈そうにしてるのを感じてくれて別の場所を用意してくれたんだと思います…他の家族はまだ僕を跡取りにするのを諦めてないでしょうけどね」
やがて千堂達は用意された大型バスに乗り、大ショッカー党本部へと向かった。増沢は黒い高級車に再度、乗り込むとバスの背後にピッタリとついて周囲に危険がないかを監視する。
バスが大通りに入った後も異世界の客人達…特にピニャにとっては驚きの連続だった。
ピニャは帝国の皇族であり、幼い頃から帝国が世界で1番繁栄しており、他国は文明的に劣り、野蛮であると教え育てられてきた。
だが目の前に広がる光景は何だ。
通りには先が見え
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