暁 〜小説投稿サイト〜
気難爺さんとパグ
第二章
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
 パグ、ゴンと名付けた彼との生活をはじめた。毎朝起きると餌と水をやるがその前に絶対に散歩に夫婦で出た。それでだった。
 毎朝早く起きて身体を動かした、それから朝ご飯を食べるが。
 妻はゴンの話ばかりする、その言うことはというと。
「ブラッシングもしないとね」
「ゴンの毛もか」
「今日ブラシ買って来るから」
「早速か」
「ワンちゃんにはそれも必要だからよ」 
 ブラッシングもというのだ。
「そうするわね」
「そうか」
「あと色々なおもちゃも買ってあげてね」
 こちらの話もした。
「それでドッグフードだけじゃなくてミルクもおやつもね」
「買うんだな」
「それで飲んで食べてもらいましょう」
「全く、犬ばかりだな」
「いいじゃない、ぼけないし」 
 妻はとにかくこちらの話をした。
「いつも何かを考えてそれできちんとした生活をしていたら」
「ぼけないか」
「そうよ、お散歩にも出て運動にもなるしね」
「ふん、そんなの犬がいなくてもいいだろ」
「そう言って結局しないものでしょ人って」
 運動なり何なり必要なことでもというのだ。
「怠けたりするから」
「わしは違うぞ」
「そう言っている人程わからないわよ」
「ああ言えばこう言うだな」
 夫はいつも憮然として応えた、だが。
 彼も気難しい顔でもだった。
 ゴンの散歩にいつも行っていてご飯も水もあげておやつもあげた、そして。
 おもちゃで遊んでやったりもした、勿論狂犬病の予防接種も連れて行って獣医にも診せた。そして髪の毛がすっかりなくなっていう歳老いた院長に言った。
「ジステンバーとかもあったな」
「あれは怖いですから」
「ちゃんとしてくれるか」
「はい、そうします」
「あと身体に何か悪いところがあったらな」
 ゴンを診せつつ言う、病院そのものに怯えている彼の傍から離れない。
「教えてくれ、それで治してくれ」
「そうしますので」
「あと蚤とかもな」
「そのこともですね」
 今度は茶色で細い毛をショートにした大きな優しい感じの目の若い女性の獣医にも話した、この獣医の名を福本由衣という。由衣はすぐに応えた。
「はい、それ用のお薬も出します」
「頼むな」
「あと定期的にシャンプーも」
「動物用のサロンか」
「行かれていますか」
「女房が近所に見付けてきた」
 すぐに由衣に答えた。
「そこに四ヶ月に一回位連れて行っている」
「そうですか」
「少ないか」
「まあそれ位かも知れないですね」
 少なくないとだ、由衣は答えた。
「半年に一回という人もいますし」
「そうか」
「やっぱりワンちゃんも清潔に越したことはないですから」
「だからだな」
「いいかと」
「ならな、このままいく」
 佐藤は由衣のその言葉に頷いて応えた。

[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ