暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第8章:拓かれる可能性
第250話「止めて見せる」
[6/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


 直後、緋雪は飛び退く。
 寸前までいた場所を、“闇”の棘が貫いた。

「攻防一体の“闇”……イリスの加護……!」

「離れても倒せず、近づけばこの“闇”に囚われる。肉薄しても導王流を突破しきれない。……さぁ、どうする?」

「方法なんて、関係ない。何がなんでも、突破する!」

 理屈なんて考える必要はない。
 本能と理性を以って、緋雪は突貫する。

「はぁっ!」

 “闇”による攻撃など、今の緋雪にはただの障害物と変わらない。
 拳圧によって吹き飛ばし、すぐさま肉薄する。

「ふっ!」

「ッ……!」

「せぁっ!!」

 気合の声と共に放たれる緋雪の拳が、優輝を襲う。
 その度に、防御に使っている“闇”が消し飛ぶ。
 結局は受け流されるものの、緋雪は導王流以外で優輝を圧倒し続ける。

「っづ……!?」

「シッ!」

「っ、バインド……!」

 だが、優輝もその動きにどんどん対応していく。
 受け流しの反撃が突き刺さり、僅かに怯んだ所へ、バインドで拘束する。
 すぐさまバインドを引きちぎり、防御体勢に入るも、一瞬間に合わず吹き飛んだ。

「(細かいダメージじゃ、意味がないのに……!)」

 決定打どころか、一切の直撃がない。
 吹き飛ばされた体勢を立て直しつつ、緋雪はそんな焦りを積もらせる。

「(単純に戦うだけだと、勝つ前に対応される。……なら!)」

 転移で背後に回られると同時に、緋雪も転移で間合いを離す。
 さらに分身二体による援護射撃と近接攻撃が入る。
 分身とはいえ、その力は本物に迫る。それが二体だ。
 赤と黄の魔結晶による援護もあるため、それだけで相手は出来る。

「「ッ……!」」

 だが、優輝はそれを無視して転移した。
 時間を稼がれると、本体の緋雪が何をしでかすかわからないからだ。
 すぐさま本体の緋雪に肉薄するように、優輝は転移して背後に回った。

「まずは、導王流の流れを断つ!!」

 ……それこそが、緋雪の狙いだと気付けずに。

「ッ……!?」

 緋雪は全力で地面を殴りつけ、めくりあげる。
 大きなクレーターが広がり、地面の一部が浮き上がり、砂塵が舞う。
 目晦ましに加え、衝撃波で体勢を乱す魂胆だ。

「(考えを切り替える!ううん、思い出す!私がやるべき事は、お兄ちゃんを“倒す”事じゃない!“止める”事!そのために必要なのは……!)」

 砂塵の外へ離脱した緋雪は、そこから優輝を“視る”。
 狙うのは肉体的な急所でも、“領域”でもない。

「(イリスの“闇”!洗脳を解くには、イリスの影響を削ぐ必要がある!)」

 目的を見失ってはいけない。
 そもそも、この戦いは優輝を止める
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ