第8章:拓かれる可能性
第250話「止めて見せる」
[3/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
れを相手に、さしもの優輝も攻撃を受け流しきれずにいた。
「転移で逃げても無駄だよ!」
紫色の魔晶石が魔力を張り巡らせる。
椿が神力でやっていたものと同じで、これで転移先を察知していた。
魔晶石二つ分の手数が減るが、それでも緋雪の方が有利だ。
「厄介だな」
「っ……!?」
しかし、それを覆すのが導王流。
避けるついでにカウンターを繰り出し、水色の魔晶石を叩き落とした。
「(これは……!)」
「ふっ……!」
さらに、回避と共に強く地面を踏みしめる。
叩き落とした魔晶石を下敷きにし、さらに霊力と魔力を叩き込んだようだ。
「………」
その時点で、一度緋雪は魔晶石を自分の傍に戻す。
踏みつけられたままの魔晶石以外は戻ってくる。
しかし、その踏みつけられた魔晶石には罅が入っていた。
「アンファング!」
―――“Frieren”
破壊される前に、緋雪が先に自爆させた。
水色の魔晶石から魔力が爆発し、周囲を一気に凍らせる。
「あの状態でも打ち抜くなんて……!」
優輝は転移でその爆発から逃れ、無傷だ。
対し、緋雪は一つの魔晶石を失った。
時間が経てば魔晶石も元に戻るが、少なくともこの戦いでは元に戻らない。
「(無闇に手数を減らすのは愚策。……なら!)」
背後に迫っていた優輝の攻撃を緋雪は逸らす。
シャルとリヒトを使い、優輝の攻撃を捌き続ける。
そして、魔晶石は背後に控えさせ、射撃による牽制に留める。
「……そう簡単に通じないよ」
転移連発からの蹴りを、緋雪は腕で受け止める。
魔力を纏ったその蹴りは、並の剣よりも切れ味があるものだ。
しかし、緋雪はそれをあっさりと受け止めた。
防御どころか蹴りを真っ向から跳ね返す事も出来たが、それはカウンターを警戒して防御だけに留めていた。
「シッ!」
動きを見極め、リヒトを振るう。
受け流され、カウンターを繰り出された所で、シャルを振るう。
……だが、それもカウンターで返される。
「……っつ……!」
自ら後ろに跳ぶ事でダメージを抑える。
同時に、改めて相性の悪さを認識する。
「(どんなに力が強くても、受け流される……!魔結晶の攻撃も創造魔法で相殺されているし、何より剣だと相性が悪い!)」
剣どころか、“振るう”動作のある武器である時点で相性が悪かった。
導王流は素手が本領だ。そのためか、対武器の強さが桁違いとなっていた。
どんな武器を振るうにも、その際の軌道を逸らされれば通じない。
そのため、いかなる武器による攻撃も、カウンターで返されていた。
通じるとすれば、鉤爪の
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ