変質した中学校
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いるはずよ。それとも……貴女がこのパーティーの主催者かしら?」
「どうしてそう思うかな……」
可奈美は気まずそうに視線を逸らす。中学校だったこの場所と、キャスター、ほむら。
「ねえ。それじゃ、ほむらちゃんもこの事態とは関係ないんでしょ? だったら、協力し合えないかな?」
「バカを言わないで」
ほむらが発砲した。打ち落とした銃弾が、熱い煙を発している。それでもほむらは、銃を降ろさない。
「私たちは敵同士よ。協力なんてありえないわ」
「そんなこと……っ!」
ほむらとの会話中だというのに、可奈美は背後からの殺気に気付き、振り向きざまに千鳥でガード。剣同士の独特の金切り音を上げる中、迫ってきた赤い瞳を、可奈美はじっと見返した。
「黒い髪……赤い瞳……」
「アサシン!」
ほむらの言葉で、可奈美は彼女こそが、サーヴァント、アサシンだと理解した。
「葬る!」
アサシンは、さらに体を回転させ、その妖刀、村雨の刃を可奈美へ穿つ。可奈美は体を反らし、がら空きになったアサシンへ、ドロップキックを叩きこむ。
「……」
アサシンは受け流して着地、可奈美とほむら、キャスターを見据えている。
「今の剣……」
可奈美は、彼女の村雨を受け止めた手を見下ろしていた。カタカタと震える手が、彼女の剣の重さを証明している。
「本気の殺意!」
「お前もマスターか。ならば……葬る!」
再びアサシンが、可奈美に肉薄する。
可奈美とアサシンは、何度も何度も火花を散らす。どんどん回数を重ねていくごとに、可奈美の表情から強張りが消えていき、明るくなっていく。
「すごい!」
やがて可奈美は、アサシンの刃を鍔で受ける。ずっしりとした刃の重さが、可奈美を揺らした。
だが、そこで可奈美が感じたのは、恐怖ではなく高揚。強力な敵への、嬉しさだった。
「本気の立ち合い! 本気の勝負! 久しぶりに、こんな剣の達人に出会えた!」
「……?」
アサシンの表情に、少しばかり困惑が混じる。だが、可奈美がそんなことに構いはしない。アサシンのサーヴァントへ、千鳥が斬りこむ。
アサシンも無論応戦する。もはや彼女以外が何も見えない。赤黒に変質した世界も、立ち去るキャスターたちももう見えない。
ただ、可奈美は、アサシンとの立ち合いを___楽しんでいた。
「どうしたの? まだ戦えるでしょ? アサシン!」
「お前……」
口数の少ないアサシンに、やがて嫌悪感のような表情が現れた。
少しばかり動きが鈍くなってきているアサシンとは対照的に、可奈美はどんどん動きが素早くなる。
「お前も戦いを楽しむ輩か」
「私は、剣が好きなだけだよ! だから、もっと楽しもうよ! この立ち合
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