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FAIRY TAIL〜水の滅竜魔導士〜
予想外
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のないシリルとすぐにティオスは融合し、さらなる力を手にいれるのは明白だから。それならばとカミューニは潔く散ることを決意した。

「さすがBIG3!!俺が見てきた中でも、一番勇ましいよ」

今まで見てきた魔導士たちは、死に直面した途端恐怖に怯え、中には命乞いする者までいた。それなのに、カミューニはそのどちらもすることなく、冷静な分析のまま死を受け入れた。その事に対するティオスの拍手は、恐らく嫌みなのだろうが。

「俺は1度・・・いや、2度死んでるからな。今さら死ぬのも怖くねぇよ」

大魔闘演武の直後のドラゴンとの戦いの際も、天海との戦いの際も彼は命を落としていた。しかし、ウルティアとヨザイネの力によって生還した彼からすれば、もうそれは恐怖に怯えることではないのだろう。

「じゃあ・・・勇ましく散れ」
「あぁ・・・」

高まる両者の魔力。カミューニは人差し指をティオスに向けると、かつてシリルを殺めかけたその魔法を解放する。

「お前の勝ちだ、ティオス」

全ての魔力を指先1つに集約させる一点集中波(ピンポイントシュート)。最期の足掻きに選んだそれは、今まで彼が放ってきた魔法の中でも最高クラスの威力だっただろう。
ティオスはそれをあえて避けることなく右肩で受けるが、体はびくとも揺れることはなかった。

「あなたの最期の力、見せてもらえてよかったよ」

自らの死を受け入れ、潔く引くその男の行動に、彼は敬意を表した。だからこそそれを避けることはしなかった。彼の全てを受け止め、あの世へと送ることにしたのだ。

「サヨナラ、カミューニ・フィゾー」
「あぁ。じゃあな」

一瞬で距離を詰め、青年の頭部に溢れ出ようとする魔力を集約した左手を向けるティオス。カミューニはそれを受け入れており、目を閉じ最期の時を向かえようとしていた。

ゴゴゴゴゴゴゴゴ

しかし、次第に近付いてくる謎の音に、2人の男の動きは止まった。

何事かとそちらに顔を向けたティオスとカミューニ。その彼らの視界に入ったのは、人の数倍はあるであろう巨大な津波だった。

「な!?津波!?」
「なんでここで!?」

ここは大陸の真ん中部分に位置しているはずのエリア。海などは近くになく、ましてや雨も降っていないこの状況で、これほどの津波が起こることはありえない。

「「「うわあああああああ!!」」」

想定できるはずもない事態に対処できなかった青年たちも、目が見えないため気付くことすらできなかった少年もあっという間に飲み込まれる。しばらくして水が引けてくると、その場に咳き込む3人の姿があった。

「ゴホゴホッ・・・なんだってんだ・・・」

何か訳がわからずにいたティオスだったが、カミューニは目を輝かせた。

(援軍か!?)
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